ZDP189を素材としたおすすめの包丁とは?

ZDP189を素材としたおすすめの包丁とは?

包丁には様々な種類の素材が存在しています。

包丁の素材一覧

伝統的な包丁の素材は炭素鋼ですが、錆びにくさが魅力のステンレス鋼も発展を見せています。

その中で、今回紹介するのがZDP189鋼です。

ZDP189(ZDP-189)は、日立金属が開発した超高硬度の粉末冶金ステンレス鋼です。

高い炭素含有量と独自の合金設計によって、非常に優れた耐摩耗性(刃持ちの良さ)と硬度を実現しています。

主にハイエンド包丁・ナイフの材料として使われ、海外を含め多くの刃物ファンから高い評価を得ています。

今回はZDP189の主な特徴をまとめた上で、ZDP189のおすすめの包丁をお伝えしていきます。

目次

ZDP189の特徴

それではまず、ZDP189の特徴についてお伝えしていきます。

超高炭素・高硬度

    炭素含有量が約3.0%と非常に高く、熱処理後はHRC(ロックウェル硬度)で68に達することもあります。

    これは一般的なステンレス鋼や炭素鋼をはるかに上回る硬さです。包丁の素材としては最高硬度ですね。

    包丁の素材のロックウェル硬度

      粉末冶金製法

      溶解させた鋼を微細な粉末化し、加圧焼結(かあつしょうけつ)することでつくる手法によって作られています。

      合金成分が均一に分散しやすく組織が細かく均質になるため、通常のステンレス鋼よりも高い性能を引き出しやすいのが特徴。

      耐摩耗性(刃持ち)の高さ

      刃先が長く鋭いまま保ちやすい、いわゆる「刃持ち」が非常に良いです。

      切れ味が長期間持続するため、プロの現場でも重宝されています。

      ステンレス鋼としての耐食性

      通常、炭素量の多い鋼は錆びやすくなる傾向があります。

      しかしZDP189はクロム含有量(約20%前後)も高いため、ステンレス鋼として錆びにくい特性を持っています。

      ただし、一般的なステンレス鋼に比べればやや注意して使う必要があり、完全に錆びないわけではありません。

      ZDP189包丁のメリットとデメリット

      以下の表に、ZDP189を使用した包丁の主なメリットとデメリットをまとめました。

      ※「長所」「短所」は一般的・相対的なもので、使い方や製品の品質・メーカーの処理などによっても変わる可能性があります)

      スクロールできます
      項目メリット(長所)デメリット(短所)
      切れ味・刃持ち– 超高硬度(HRC 68前後)まで熱処理可能で、非常に鋭い切れ味を得られる
      – 耐摩耗性が高く、長期間切れ味が持続する
      – 硬度が高すぎるがゆえに、硬い食材に強く当てると刃が欠けるリスクがある
      耐食性– 炭素量は高いが、クロム量(約20%)も多いため錆びにくい「ステンレス鋼」として機能– 完全に「錆びない」わけではない
      – 塩分や酸に長時間触れる環境では要メンテナンス
      メンテナンス– ステンレス鋼のため炭素鋼よりは錆管理がしやすい– 超高硬度のため研ぎ作業(メンテナンス)が難しく、ダイヤモンド砥石や時間が必要になる
      価格– 高品質・ハイエンド包丁としてのブランド価値がある– 粉末冶金製法によるコスト増で、一般的な包丁よりも価格が高い
      耐衝撃性– 普通に食材を切る分には特に問題が起きにくい– 硬度が高い分、衝撃に弱くチッピング(小さな欠け)が起こりやすい

      ZDP189包丁の最大の強みは「圧倒的な切れ味」と「長期間維持できる刃持ち」です。

      主なデメリットとしてはメンテナンスが難しい点と価格が高いことが挙げられますね。

      おすすめのZDP189包丁

      では、ZDP189を素材にしたおすすめの包丁についてお伝えしていきたいと思います。

      吉田刃物 ZDP189 ダマスカス三徳 黒檀八角柄

      吉田刃物 ZDP189 ダマスカス三徳 黒檀八角柄

      吉田刃物は、刃物の名産地である岐阜県関市に根ざし、長い歴史の中で培われた伝統と最先端の技術を組み合わせた刃物メーカーです。

      包丁をはじめとする多彩な製品ラインナップがあり、家庭用からプロ用まで幅広く支持されています。

      「吉田刃物 ZDP189 ダマスカス三徳 黒檀八角柄」はZDP189を用いたダマスカス鋼として、切れ味だけでなく美しさも備えています。刃渡は18cmで万能包丁としてあらゆる使用用途に対応できます。

      価格は51,000円と多少高いですが、十分価格に見合った一品となります。

      義平作 ZDP189 三徳包丁

      義平作 ZDP189 三徳包丁
      義平作 ZDP189 三徳包丁

      義平刃物は、新潟県燕三条の伝統的な金属加工技術を活かして、高品質かつ多彩な包丁を製造しているメーカーです。

      厳選素材・熟練技術・こだわりの仕上げを柱に、プロから家庭まで幅広いニーズに対応しています。

      義平のZDP189包丁は三枚合わせ構造となっています。

      義平作 ZDP189 三徳包丁の三枚合わせ構造

      そのため、刃先の切れ味は鋭い一方で、刃先を除いて表面の殆どは錆びないという特性を持たせることが可能となります。価格は35,000円とZDP189の中では廉価なのも魅力的なポイントです。

      まとめ

      ZDP189は最高硬度を誇る包丁の素材です。

      その代わり研ぐのが難しく素人には難しいという欠点があります。

      ZDP189素材の包丁は最高級の切れ味で食材を切りたいという方にとっては魅力的な選択肢となるでしょう。

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