三徳包丁と牛刀包丁の違いをわかりやすく解説!どっちが万能型としておすすめ?

三徳包丁と牛刀包丁の違いをわかりやすく解説!どっちが万能型としておすすめ?

当サイトでは和包丁と洋包丁について網羅的な情報をお伝えしてきました。

今回はその中で皆さんが疑問に思うポイントにフォーカスしてお伝えしていきます。

三徳包丁と牛刀包丁の違いについてです。両方とも万能包丁で、同様の形状をしています。

三徳包丁と牛刀包丁の違い

本日は両者の共通点と相違点についてわかりやすくお伝えしていきます。

目次

三徳包丁と牛刀包丁の歴史

日本の家庭用包丁として代表的な「三徳包丁」と、プロの料理人から家庭まで幅広く使われる「牛刀包丁」(=洋包丁) は、いずれも現代では汎用性の高い包丁として広く普及しています。

しかし、両者が日本で生まれ、定着していくまでにはそれぞれ異なる歴史的背景があります。

項目牛刀包丁(洋包丁)三徳包丁
誕生時期明治時代(19世紀後半~)に西洋のシェフナイフが日本に導入され、その後日本の刀鍛冶・金物職人の技術で改良され普及。第二次世界大戦後(昭和20〜30年代)に、家庭料理の多様化に対応するため開発。
歴史背景– 明治維新で西洋文化・洋食が普及し、肉を塊で扱う機会が増加。
– 従来の和包丁では対応しにくく、西洋包丁をもとに改良が進んだ。
– 洋食だけでなく、プロや家庭でもあらゆる料理に使える汎用包丁として定着。
– 戦後の日本では、菜切包丁・出刃包丁など、食材によって包丁を使い分けるのが主流だったが、一丁で肉・魚・野菜を幅広くこなせる包丁が求められた。
– 和包丁と洋包丁の良さを組み合わせ、家庭向けの万能包丁として開発。
名称の由来– 名称は「牛肉を捌くための刀」に由来。
– 英語圏の「Chef’s Knife(シェフナイフ)」を日本語で意訳・当て字したともされる。
– 「肉・魚・野菜」あるいは「切る・刻む・削ぐ」の三つの作業を一本でこなせるため「三徳」と名付けられたとされる。
普及の過程– 明治~大正期にかけて洋食文化が浸透するとともに、プロの料理人や家庭でも使用されるように。
– 日本の伝統的鍛造技術と融合し、汎用性の高い包丁として定着。
– 戦後の高度経済成長期に台所事情が変化し、万人向けの万能包丁が求められ急速に普及。
– 現在では日本の家庭用包丁の代表格として広く浸透している。

基本的には両刃の包丁は洋包丁に分類されます。ただ、先ほどお伝えしている通り三徳包丁は日本で考案された包丁であるため和包丁として当サイトでは分類しています。

ただ、この三徳包丁の分類は非常に難しく、両刃であることを論拠として洋包丁に分類している包丁専門店もあります。また、どちらにも分類せず家庭用包丁として分類しているところもあります。

三徳包丁の分類は非常に難しく流動的であるので必ずしも正解の分類があるわけではありません。

三徳包丁と牛刀包丁の共通点

まずは両者の共通点についてお伝えしていきます。

両方とも両刃包丁

包丁には片刃と両刃があります。三徳包丁も牛刀包丁も両刃の包丁になります。

洋包丁は両刃

両刃包丁と片刃包丁のメリットとデメリットを書き出すと以下の通りとなります。

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項目両刃包丁片刃包丁
メリット– 左右対称なので初心者でも扱いやすい
– 肉・野菜・魚など幅広い食材に対応
– 使い勝手がよく、家庭料理で「1本あると便利」
– 非常に鋭い切れ味で、刺身や魚の三枚おろしが得意
– 食材の切り口が美しく、繊細な仕上がりが可能
– プロ仕様の精密な作業に向く
デメリット– 片刃に比べると尖鋭度はやや落ちる
– 刺身や高度な和食専用の作業はやや苦手
– 右利き用・左利き用などが明確で汎用性が低い
– 初心者には研ぎ方や扱いがやや難しい
– 汎用性が低く、用途別に包丁を複数用意する必要がある

片刃包丁は鋭い切れ味と繊細な作業が必要ではあるものの、手入れや扱いが難しいというデメリットがあります。

一方で両刃包丁は切れ味は劣りますが、手入れが簡単で初心者にも扱いやすい包丁となっています。

コラム:片刃の三徳包丁や牛刀包丁もある

三徳包丁や牛刀包丁の基本形は両刃ですが、片刃のバージョンもあります。

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両刃片刃
メリット左右対称の刃付けのため、右利き・左利き問わず使いやすい
切り進みがまっすぐで、扱いやすい
研ぎ方も比較的簡単で、初心者でもメンテナンスしやすい
鋭い切れ味が得やすく、繊細な切り口になる
– 刃先が食材に入りやすく、刺身のように切り口の美しさを重視する用途にも向く
– 包丁の片面はフラット(またはわずかな内反り)のため、切り離しがよく、食材が貼りつきにくいこともある
デメリット– 片刃に比べると尖鋭度がやや劣る場合が多い
– 和食の専門的な作業(刺身を極薄に切る、魚を本格的におろすなど)にはやや不向き
– 「ステーキナイフ」のように筋切り・細かい加工などをする際、片刃と比べると精密さに欠けることも
– 刃の構造上、右利き用・左利き用が分かれるため、利き手に合ったものを選ぶ必要がある
汎用性が低く扱いが難しい
– 研ぎ方・メンテナンスが独特で、初心者にはハードルが高い
– まっすぐ切り下ろすと刃が進行方向に流れる(クセが出る)場合がある

プロのような切れ味を求めない片であれば通常の両刃のバージョンを選ぶのがよいでしょう。

両方とも万能包丁

牛刀は「牛」と名がついていることから、肉専用のイメージをもたれがちです。

しかし、実際には刃渡りの長さと形状が、野菜の刻みから魚の下処理まで幅広く対応できる万能包丁です。

三徳包丁は明治時代に流入した「牛刀包丁(洋包丁)」の影響と、日本古来の「菜切包丁」の長所を融合させたいという発想で生み出された包丁です。

「肉・魚・野菜をこれ1本で」というコンセプトから「三徳」という名がつけられ、戦後の家庭料理の多様化に伴って急速に普及していきました。そのため三徳も万能包丁です。

現在では日本の一般家庭の定番包丁の一つとして確固たる地位を築き、さらに海外でも「Santoku Knife」として広く浸透しています。

三徳包丁と牛刀包丁の相違点

では本題の相違点の方についてお伝えしていきます。

「刃渡り」や「大きさ」の違い

三徳包丁と牛刀包丁には刃渡りや形状に若干の違いがあります。

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三徳包丁牛刀包丁
刃渡り165mm〜180mm180mm〜270mm
形状刃先がやや丸みを帯びた“羊の角”のような形状先端がとがっており、刃全体が細身でスマートな形状

三徳包丁は家庭での使用がメインで大きすぎず小さすぎないバランスのよさを重視しています。

一方、牛刀は万能包丁ではあるものの主に肉を切るために西洋で発展した包丁なので、やや大きめの作りになっています。

使い方の違い

三徳包丁は刃の先端がやや丸みを帯びているため、まな板に対して前後にスライドさせるように切る動作や、トントンと上下に動かして刻む動作など家庭料理でよく使われる切り方に向いています。

三徳包丁は刃幅が広めなので切った食材を包丁の上に載せてそのまま移動させやすいという利点もあります。

牛刀包丁は先端が細く鋭くとがっているため、肉の筋切りや刺し込みがしやすく、また大きな塊の肉でもカットがしやすいです。

刃渡りが長いぶん、大きく引いて切る動作や、繊維を断ち切る作業などで効率が上がります。刃が長い分、料理初心者にはやや扱いづらく感じることもあります。

使用シーンやおすすめユーザー

三徳包丁家庭向けのオールラウンダー。

日本では肉・魚・野菜どれにも対応できるので、まず1本持つなら三徳という考え方をされることが多いです。

刃の長さが短めなので、小回りが利きやすく初心者でも扱いやすいのが利点です。

一方、牛刀包丁はプロの料理人から一般家庭まで幅広く利用されます。

特に肉を扱う頻度が高い方や、食材を大きく切る機会が多い方に向いています。

刃渡りが長い分、広いキッチンスペースやある程度の包丁さばきに慣れた人向けです。

まとめ

両者の共通点と相違点をまとめると以下となります。

三徳包丁牛刀包丁
共通点基本的には両刃であり万能包丁
相違点刃渡は牛刀より短く刃幅も広く刃先は丸みを帯びており家庭用で初心者に適している。刃渡は三徳より長く刃幅は狭く刃先は尖っており三徳よりは熟練を要する。硬いブロック肉などをきることもできる。

肉料理などが多いのであれば牛刀包丁で、万能で使いやすさを追求するのであれば三徳包丁をおすすめします。

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