「かつら剥き(桂剥き)」――一度は和食の基本技術として耳にしたことがある方も多いでしょう。大根やキュウリを、まるで帯状のリボンのようにクルクル剥いていくあの姿、実は初めてやると何度も切れてしまったり、厚みがバラバラになったりして「私には向いてないかも…」と挫折しがちですよね。

安心してください。正しいコツさえ掴めば、意外と誰でもできるようになります。筆者は桂剥きと聞くとまずスラムダンクの魚住を思い出してしまいます。
失礼しました。本記事では、桂剥きのコツや大根やりんごを華麗に剥く際の気になるポイントを網羅。
かつら剥きの由来や難しさの正体から、練習方法、さらには由来や楽しみ方までをわかりやすく解説します。ちょっとした成功体験で「かつら剥き、意外と面白い!」と感じられるはずですよ。
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かつら剥き(桂剥き)とは? 由来や基本の意味
かつら剥きは、一見難しそうですが、包丁角度や左手の回し方などのコツを掴むと、想像以上に楽しく感じられる技術です。由来を知り、和食文化の奥深さを理解しながら、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
キッチンでの“ちょっとした達人感”を味わえ、食卓が豊かになること間違いなしです。

定義: 大根やきゅうりなど円柱形の野菜を、外周に沿って薄く帯状に剥く和食の基本技術。
由来: 「桂の木の皮」説や「かつらの髪のように長い帯」説などがあり、どちらも“薄く長いイメージ”に由来。
背景・魅力: プロの和食現場では“魅せる技”として定評がある一方、家庭でも刺身のつまやサラダの演出、飾り切りなどに幅広く活用できる。
それでは詳細も確認していきましょう。
かつら剥きの詳細な定義
円柱状の食材を帯状に薄く剥く
○ 大根・キュウリなどの筒形野菜を、円周に沿って “リボン状” に切り剥いていく和食の基本技術です。
○ 輪切りではなく「筒」をまるごと回転させながら、包丁を一定の角度で当て続けることで“長い帯”ができあがります。
「かつらむき」と呼ばれる理由
○ 「かつら剥き」や「かつらむき」と表記されることがありますが、どちらも同じ技術です。
○ 語感や地域差で呼び方に変化がありますが、基本的には意味合いに大きな違いはありません。
食感・見た目の向上
○ かつら剥きで薄く仕上げた野菜は、盛り付けの彩りに使われたり、繊細な食感を活かす飾り切りや、つま(刺身の下に敷く大根)などに役立ちます。
由来と背景
“桂”という木との関係
○ 一説には、桂の木の樹皮を剥ぐ様子に似ていることから「かつら剥き」という名が付いたとされます。
○ 桂の木の皮が薄く長くはぐことができる様子と、野菜を帯状に剥く“かつら剥き”の見た目が重なったとも言われます。
“かつらの髪”を連想させる説
○ もう一つの説として、「薄く長い状態がかつらの髪の毛のように見える」というイメージもあると言われています。
○ 実際に、大根を極限まで薄く剥くと、まるで髪の毛のような柔らかい帯状になる場合もあります。
和食の“魅せる技”
○ 料理人が大根を片手で回しながら、もう片手に包丁を持ってクルクルと帯状に剥いていく光景は、まさに見ていて爽快。
○ こうしたパフォーマンス性もあり、“かつら剥き”は和食の基本技術でありつつ、**“魅せる技”**の象徴のひとつでもあるといえます。
実用的な利点
○ かつら剥きは見た目が美しいだけでなく、包丁技術が上達すれば均一で薄い野菜の帯を作れるため、刺身のつまやサラダ、和食の飾り切りなど応用範囲が広いです。
○ 大根だけでなく、きゅうり・りんご・にんじんなどでも応用可能。素材によって食感や見栄えが変わるので、料理人の個性も出しやすくなります。
かつら剥きの魅力

盛り付けの美しさ
○ 薄く帯状になった野菜は、刺身の下に敷く“つま”や、吸い物・サラダのデコレーションなどに活用でき、食卓を華やかに彩ります。
味・食感の向上
○ 大根やきゅうりなどを薄く剥いてから水にさらすと、シャキッとした歯ごたえや瑞々しさを引き立てる効果も。
和食文化の象徴
○ 包丁を巧みに操り、素材を最大限に活かすという和食の考え方が凝縮された技術。
○ 練習を重ねることで包丁捌き全般が上達し、ほかの料理にも良い影響をもたらします。
かつら剥きは難しい? それとも意外と簡単? ポイントごとの詳しい解説
以下のような対策を意識して練習すれば、「かつら剥きが難しい…」という先入観が徐々になくなり、「意外とできるじゃないか」という達成感を味わえるはずです。最初は失敗してもめげずに続けてみてください。諦めたら試合終了です。
かつら剥きをマスターすると、和食の盛り付けやサラダの見栄えが一気に上がり、自信もぐっと深まります。つまりチャンスです。
一定の厚みが大事
○ 厚すぎると切れる、薄すぎると破れる。手首を固定し、最初の一削りを丁寧にするだけで安定感が違う。
素材を回す感覚を優先
○ 包丁より素材を動かして“無理なく削る”のが基本。左手の回転スピードはゆっくりから始める。
刃先の角度は20度前後
○ 立ちすぎるとガリガリ、寝かせすぎると滑る。ちょうどいい角度を一度測って体に覚えさせる。
以下の詳細を確認して、桂剥きのポイントを把握していきましょう。
第一の壁:一定の厚みを維持しづらい
- 包丁の動作が不安定
○ 素材(大根など)に当てる包丁の角度や、手首のスナップがバラバラになると、剥いていくうちに厚さが変化してしまい、途中でリボン状の帯が切れてしまいます。 - 薄く剥きたい意識が強すぎる
○ “極限まで薄くしよう”と焦ると、いつの間にか一部だけ厚かったり、逆に薄すぎて破れたり。バランスが崩れがちです。
- 最初の一削り目を丁寧に
○ 剥き始めの厚さが、そのまま最後まで続きやすい傾向があります。
○ 最初はごく薄めに、かつ一定厚みを意識して慎重に切り込みましょう。 - 手首と包丁角度を固定
○ 剥き中に手首を大きく動かすと、刃先の当たり方が変わりやすい。
○ 手首は固定し、素材を回す”**ぐらいのイメージで力を入れると、厚みのブレが減ります。 - ゆっくり&一定のスピード
○ スピードを出そうとすると、力配分が乱れやすく、厚さが変わりがち。
○ 最初はゆっくり、一定リズムで回転させながら剥く練習をしましょう。
第二の壁:素材の丸みに合わせて手を回す必要がある
- “回転しながら剥く”という特殊動作
○ 大根のような円柱形だと、包丁を一定の角度で当てながら、左手でクルクル回転させていく必要があります。○ これが慣れない人には難しい、根気が大事。 - 左手と右手の動作が連動していない
○ 左手で素材を回している間に、右手で包丁を動かしすぎたり角度を変えすぎたりすると、“引っかかり”が生じやすい。
- “素材を回す”感覚を優先
○ 包丁はある程度一定の位置に構え、素材(大根やきゅうり)を回転させるように動かすのがポイント。
○ 左手は力みすぎず、素材をそっと抑えて回転をコントロールします。 - 厚みを一定にキープできるペースをつかむ
○ 回転が早すぎると厚みが揃わず、遅すぎると“挟まった”ような感覚になることも。
○ 自分がやりやすい速度を探しながら少しずつスピードを上げていく。 - 最初は短い円柱で練習
○ 長い大根だと回転させる距離も長く、手首や肩が疲れがち。
○ 10~15cm程度の短いブロックを用意して練習すれば、成功体験を得やすいです。
第三の壁:刃先を寝かせる感覚が掴みにくい
- 立ちすぎると“ガリガリ削り”に
○ 包丁をほぼ垂直に当ててしまうと、皮を厚く削り取る形になり、途中でリボンが切れやすい。 - 寝かせすぎると“滑って削れない”
○ 極端に角度を寝かせると、刃がしっかり当たらず、薄く剥く前に素材が空転してしまう感覚になる。
- 初心者は“なんとなく”ではなく、具体的に角度を確認
○ テーブルや砥石の上で包丁を20度ぐらいに傾け、目視で「これが20度か」と覚える。 - 無理せず、理想の角度を少しキープしながら試行錯誤
○ 一気に長く剥くより、少しずつ剥いて感覚を確かめるほうが角度を一定に維持しやすい。 - 寝かせたまま、押し切りではなく“引き切り”
○ 刃先を寝かせた状態で、素材を回しながら包丁を引くように動かすと、安定した切れ目が生まれやすい。
かつら剥き練習のためのポイントまとめ
原因 | 主な失敗例 | 具体的対策 |
---|---|---|
一定の厚みを維持できない | – 途中で帯が切れる – 厚みがガタガタ | – 手首を固定し、一定の角度を守る – 最初の一削り目を極薄で始める – スピードを上げずゆっくり剥く |
素材の丸みに合わせられない | – 大根が引っかかり、剥きづらい – 回転が不安定で切れ目が生じる | – 左手(素材)を回すイメージを強める – 包丁は比較的固定し、素材を軽く回転させる |
刃先を寝かせる感覚が掴めない | – 立ちすぎて“ガリガリ” – 寝かせすぎて“滑って削れない” | – 角度20度前後を目指す – 目視で覚えてから作業に入り、引き切りを中心に剥く |
結局は何事も根気と継続です。最後には、誰でもできる技術ですし、できたらとてもかっこいいですよ。魚住、かっこいいではないですか。
桂剥きのコツ!大根・りんごを使った練習でマスターしよう
初心者が練習しやすい素材として、大根とりんごを使った方法を比較表にまとめました。どちらも円柱(りんごなら部分的にカット)で、かつ柔らかすぎないので練習に最適です。
素材 | 練習のしやすさ | 練習方法の流れ | ポイント |
---|---|---|---|
大根 | 難易度:中 | 1. 10~15cm程度にカットし、円柱をつくる 2. 皮をざっくり剥き、形を整える 3. 左手で回転させながら包丁を当て、帯状に薄く剥く | – 大根が硬いため、力を入れすぎると割れやすい – まず短い長さで練習し、慣れたらロングサイズに挑戦 |
りんご | 難易度:やや易 | 1. りんごを半分~四分割し、丸みを減らす 2. ペティナイフなど小型包丁で剥き始める 3. 弧を描くように包丁を動かし、一枚帯状に | – 果物の丸みが強い分、小回りの利くペティナイフがおすすめ – 酸化で変色しやすいので、剥き終わったらレモン水に浸けても◎ |
かつら剥きは、ちょっとした達成感を得やすい和食の技の一つです。
大根・りんごそれぞれの特性を活かして練習すれば、「いつの間にか長い帯が切れずに剥けている!」という感動を味わえるはずです。少しずつステップアップしながら、技術と楽しさを同時に深めてください。
なぜ大根とりんごが桂剥きの練習に最適かというと、どちらも円柱(またはカットして円柱に近い形状)で、ある程度の硬さがあるからです。
大根: 「硬い素材」で正確性が求められるため、本格的なかつら剥きの感覚を身につけるには最適。
りんご: 「柔らかめな果物」で包丁の動きを練習するにはぴったり。デザートやサラダにも活用できる。
共通ポイント: 円柱やカットしたブロックで始める、刃の角度(20度前後)を意識する、最初はゆっくり短い距離を剥く――これだけで失敗リスクは大幅に減る。
〜大根編〜難易度は中だが“本格的練習”に向いている
項目 | 大根 |
---|---|
難易度 | 中(硬い素材で、力加減や角度管理が必要) |
練習方法の流れ | 1. 長さ10~15cmにカットし、円柱をつくる 2. ざっくり皮を剥き、断面を平らに整える 3. 左手で回転させながら、包丁を帯状に薄く剥く |
ポイント | – 硬い素材なので、刃の当て方が安定しないと、割れやすく途中で切れがち – 最初は短めの円柱で練習し、慣れたらロングサイズに挑戦 |
大根を使った桂剥きの練習の手順は以下です。
下準備
○ 末端を落として皮を大まかに剥く: 無駄なひび割れや土を落とすため、最初に皮を2~3mmほどの厚さでざっくり剥いて円柱形に調整。
○ 長さは10~15cm: 短すぎると角度の変化がわかりづらい、長すぎると疲れて挫折しがち。中間程度が◎。
剥き方のステップ
(1)包丁の角度を寝かせ気味: 大根の円柱に対して、大体20度程度。
(2)左手で円柱を少しずつ回転: 大根を持つ手は力まず、適度に回すだけ。
(3)右手は一定の厚みで削る: 引き切りを意識しながら、余計な押し切りはしない。
よくある失敗例
○ 途中で帯が切れる: 厚さが不均一になっている、もしくは力を入れすぎて割れてしまう。
○ 剥くスピードが早すぎる: 焦って剥くと角度がブレやすく、切れやすいので、あえてゆっくりペースで繰り返し練習。
〜りんご編〜やや易しいが“感覚づくり”に最適

項目 | りんご |
---|---|
難易度 | やや易(果肉が柔らかいため、包丁捌きが掴みやすい) |
練習方法の流れ | 1. りんごを半分 or 四等分し、丸みを減らす 2. 小型包丁(ペティナイフなど)で皮を剥く 3. 弧を描くように薄く帯状に剥く |
ポイント | – 果肉が柔らかく、切れ味を確認しやすい – 酸化で変色しやすいので、レモン水に浸けるか迅速に作業 |
なぜりんご?
○ 硬さが大根より柔らかいため、包丁のコントロールに自信がない方でも試しやすい。
○ 丸みを抑えるようにカットすれば、ほぼ円柱に近い形状となり、かつら剥き風に練習可能。
手順の詳細
(1)りんごを大きめの塊に: 1/2~1/4くらいが目安。
(2)ペティナイフを使い、小回り重視: りんごのカーブに合わせて、包丁を回しながら帯を作る。
(3)酸化対策: りんごは空気に触れるとすぐ変色するため、レモン水に浸けておくか、手際よく作業すると見た目を保てる。
よくある失敗例
○ 皮を厚く剥きすぎて果肉が削れ、帯状にならない
○ りんごの丸みが強く、途中で包丁が止まる: 慣れるまでは切りやすい面取りをしっかり行い、角を落としておくと帯状に剥きやすい。
大根 vs. りんご!かつら剥き練習はどっちでやる?
どちらもやるべきだと思いますが、一応比較表を置いておきます。
比較項目 | 大根 | りんご |
---|---|---|
硬さ | 硬く、正確な力配分が必要 | 柔らかめで、包丁を動かしやすい |
難易度 | 中(本格派の練習素材) | やや易(初心者向きの素材) |
剥き方のコツ | – 10~15cmの円柱でスタート | – 1/4~1/2にカットして丸みを減らす |
失敗しがちな点 | – 力みすぎて割れる – 角度ブレ | – 厚く剥きすぎて果肉まで大きく削れる – 酸化対策を忘れる |
習得メリット | – プロ級のかつら剥き感覚を習得 | – 包丁の角度や動きを慣れる練習に最適 – デザートアレンジも可¥ |
- 最初はゆっくり短距離
○ 長い大根を丸ごと剥くのは疲れます。短いブロックやりんごから始め、「30~50cmの帯を作れればOK」と目標を小さく設定すると成功体験を得やすい。 - 包丁の選び方
○ 三徳包丁: 家庭で一般的に使われ、ある程度の長さがあるため大根にも対応可能。
○ ペティナイフ: りんごなど小ぶり素材のかつら剥きに向き、初心者でも扱いやすい。 - 練習した後の活用
○ 大根のかつら剥き後は、刺身のつまやサラダトッピングに。
○ りんごの場合は、甘さを活かしたデザート飾りとして応用。料理を彩るアクセントに便利。
大根のかつらむき・ピーラー活用術!手軽に挑戦したい人向け
ピーラーで慣れてから包丁にステップアップする方法も◎です。最初から包丁で苦戦して心折れるより、“ピーラーで楽しみながら徐々にコツを掴む”方が続けやすいです。
ピーラーのメリット
○ 一定の角度で削りやすく、初心者でも「かつら剥き風」の薄切り体験をしやすい
○ ピーラー自体が軽量で持ちやすく、長時間の作業も負担が少ない
注意点
○ ピーラーでは、包丁ほどのリボン状の長さは狙いにくい
○ 和食店のような“超薄く均一な帯状”にはならないが、サラダや飾り付け程度なら十分活用できる
まとめ
一見ハードルが高いように感じるかつら剥きですが、少しずつ練習を重ねると、驚くほど美しい薄切りが手に入るようになります。
最初は失敗しても、上達する過程が「なんだか楽しい!」と気づく瞬間がきっとあるはず。ぜひ自分のペースで挑戦し、和食ならではの“技”を身につけて、スラムダンクの魚住を目指してみてください。
キッチンでちょっとしたプロ気分を味わえるのも、かつら剥きの大きな魅力ですよ。最後にまとめです。
かつら剥きの由来: 「桂(かつら)の木の皮」を剥ぐイメージ + 和食の基本技術
難しさの正体: 厚さのコントロール、素材の回転、刃先の寝かせ方
練習素材: 大根(硬いが本格練習向き)・りんご(柔らかめで初心者向き)
失敗克服: 刃先を寝かせ、薄く剥き始める + 左手で素材をゆっくり回転
ピーラー活用: 手軽に“かつら剥き風”を味わいたい人におすすめ。ただし本格的な細さや長さは難しい
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