一言に包丁といっても様々な種類が存在します。以下は和包丁と洋包丁の種類の一覧です。

今回、お伝えするのは骨スキ包丁です。
骨スキ包丁は洋包丁の一種で主に鶏肉などの骨付き肉から骨を外したり、骨周りの筋や肉を細かく処理するために使われる先が細く鋭い形状の包丁です。
当記事では骨スキ包丁の特徴や、出刃包丁との違いを含めてお伝えしていきたいと思います。

骨スキ包丁の特徴

骨スキ包丁は、肉を骨から外す工程をより正確かつ安全に行うために用いられる、プロの料理人にも愛用される包丁です。家庭でも骨付き肉をさばく機会が多い方にとっては非常に便利な一本です。
そのため、以下のような特徴を備えています。
1.細く尖った切っ先
刃先が細く鋭利で、骨や関節付近の狭い部分に切り込みやすく、肉と骨をきれいに切り離せます。筋や膜を丁寧に除去するといった繊細な作業にも使い勝手がよい形状です。
2.幅が狭く厚みと剛性がある刃
刃幅が細いので複雑な骨周りにも入り込みやすく、骨から身を剥がしやすい設計。厚みと剛性があるため硬い骨に当たっても刃こぼれしにくく、プロの現場でもガシガシ使える耐久性を備えています。
3.用途の多様性
鶏肉などの骨付き肉はもちろん、豚や牛など比較的小さな骨付き肉の骨外しにも使えます。さらに魚を捌く際に応用することも可能で、狭い部分の作業や筋取りなど幅広い用途に対応。一本持っておくと様々な下処理で活躍する、使い勝手の良い包丁と言えるでしょう。
4.種類(形状)の違い
骨スキ包丁には大きく分けて角型(東型)と丸型(西型)の2種類があります。
◯丸型はアゴがなく刃渡りがやや長め。魚の三枚おろしなどにも対応しやすい設計で、アウトドアでの携行性も高く、逆手に持ち替えての捌き作業にも扱いやすいです。
◯角型は刃元に“アゴ”と呼ばれる突起があり、刃渡りが短め。より骨外しに特化した形状です。刃元の角が指の当たるガードとなり、慣れていない方でも扱いやすいメリットがあります。
骨スキ包丁は魚を捌くのにも適しているのか?
骨スキ包丁は、先端が細く骨まわりの肉を外しやすい形状をしているため、魚の骨を外す際にも応用はできます。
ただし、魚をさばく専用の包丁(例えば出刃包丁・柳刃包丁など)とは用途や形状が異なりますので、以下のようなポイントに注意しましょう。
魚のサイズや種類による
魚の骨が比較的しっかりしている場合や、骨まわりの身を丁寧に外したい小・中型の魚を扱うときに、骨スキ包丁の尖った切っ先が役立つことがあります。
一方、大型の魚をさばく場合や、骨を断ち切ったり頭を落としたりする作業には出刃包丁のほうが適しています。
刃の厚みと強度
骨スキ包丁は骨近くをさばくための厚みと剛性を備えていますが、魚専用の出刃包丁ほど重厚ではありません。
大きな力をかけて骨を断つ作業は得意ではないため、無理に使うと刃を傷める可能性があります。

三枚おろしなどの作業
魚を三枚におろすなどの工程には、やはり刃先が長めでスムーズな切り込みができる出刃包丁や柳刃包丁が向いています。骨スキ包丁で三枚おろしを行うこと自体は不可能ではありませんが、慣れないと逆に作業効率が落ちる場合もあります。

骨スキ包丁と出刃包丁の違い
上記の点から骨スキ包丁でも魚を捌くことは可能ですが、出刃包丁のほうが大きな魚を捌くのには適していることがわかります。
←骨スキ包丁 出刃包丁→


もっと詳細に骨スキ包丁と出刃包丁の特徴を比較したものです。用途や形状、刃の厚みなど、それぞれの包丁の違いを分かりやすくまとめています。
項目 | 骨スキ包丁 | 出刃包丁 |
---|---|---|
形状の特徴 | – 切っ先が細く鋭い – 骨や関節付近の狭い部分に切り込みやすい – 「角型」「丸型」など種類がある | – 刃先が厚く重みがある – 魚の骨を断ち切る・頭を落とすのに適した剛性と形状 |
主な用途 | – 鶏肉などの骨付き肉から骨を外す – 骨まわりの筋や身を丁寧に除去 – 種類によっては小さな魚の骨外しなども可能 | – 魚の頭を落としたり、骨を切り落とすなど、主に魚をさばくための包丁 – 肉類の硬い骨周りを切る場合にも使える |
刃の厚み 強度 | – 骨近くに当てても刃先が欠けにくいよう、ある程度の厚みと剛性がある – 出刃ほど重厚ではないので、大きな骨を断ち切るのは苦手 | – 厚みと重さがあるので、硬い骨を断ち切る作業もこなせる – 刃先が丸みを帯びていて重厚感があり、安定した切れ味 |
切れ味 作業性 | – 狭い部分に切り込みやすい尖った切っ先が特徴 – 骨の周りの細かい処理が得意 – 慣れれば高い精度で筋や骨から身を外せる | – 重量を活かしたカットがしやすい(骨や頭を落としやすい) – 大型の魚でも力が伝わりやすく、効率的に作業ができる |
向いてる作業 | – 骨付き肉の骨外し、筋取り – 小さめの魚の骨抜きや細かい身の処理 – 鶏の関節外しやササミの筋抜きなどの繊細な作業 | – 魚の三枚おろし(特に頭や骨を切り落とす工程) – 大きめの魚のさばき作業 – 肉の硬い骨をカットする場合にも使用可能 |
メリット | – 骨まわりの細かい作業に適している – 刃先が細いので、身の歩留まりを高く保ちやすい – 鶏肉・魚など幅広い応用が可能 | – 硬い骨を切り落とすことが得意 – 重さを活かして安定感のある作業ができる – 一本で魚の下処理(頭落とし~骨外し)まで対応可能 |
デメリット | – 大きな骨を切るには不向き(刃が痛む恐れ) – 出刃包丁ほど強度は高くない(重量カット作業には適さない) | – 切っ先が太いので、狭い部分の繊細な作業は苦手 – 重量があるため慣れないと疲れやすい |
まとめ | – 「骨外し」や「細かい処理」に長けた包丁 – 鶏肉などの骨付き肉をさばく機会が多い場合に便利 | – 主に魚を丸ごとさばくための包丁 – 大きな力をかけて骨を断ち切る作業に適し、特に大型の魚を扱う際に活躍 |
それぞれの包丁は得意分野が異なるため、扱う食材や下ごしらえの内容に合わせて選ぶのがポイントです。
骨スキ包丁の使い方
それでは骨スキ包丁の使い方についてお伝えしていきます。
骨スキ包丁の持ち方や姿勢
1.包丁を正しく握る
◯ 柄(ハンドル)をしっかりと握り、親指と人差し指で刃元のあたりを軽く支えます。
◯ 刃先が細く鋭いため、無理な力をかけすぎないようバランスを意識して握ります。
2.まな板の位置や角度を調整する
◯ 骨付き肉を扱う場合、骨の方向や形状が違います。必要に応じて肉の向きを変えたり、まな板を回して作業しやすい角度に調整します。
◯ 自分の身体の正面から刃先までの距離を取りすぎないよう、やや近めで作業すると力加減がしやすいです
骨を外す(鶏もも肉などを例に)
さて、いよいよ具体的な使用方法に入っていきます。鶏もも肉などを例に解説していきます。
◯ 骨と肉の境目に、筋や膜がある場合は先に取り除いておくと作業がスムーズになります。
◯ 切っ先を使って薄く切り開くように筋を外していきます。
◯ 骨スキ包丁の最大の特徴である「細い切っ先」を骨に沿わせるように当てながら少しずつ切り進めます。
◯ 骨をガイドにして、刃を浮かせすぎないように注意しましょう。
◯ 刃先を横向きや斜め向きにしながら、骨と肉の間を滑らせるように外していきます。
◯ 骨の曲面や関節部分はこまめに刃先の角度を変え、狭い隙間にもきちんと差し込みます。
関節を外す
骨を外した後は関節を外す作業に移っていきます。
◯ 骨付き肉には「関節」が必ずあります。目で見える場合もあれば、少しずつ包丁で探りながら外す場合もあります。
◯ 関節は軟骨部分なので、骨よりも柔らかく、少ない力で切り離せることが多いです。
◯ 無理に力をかけると刃先が欠けたり、手を傷つける恐れがあります。包丁の先端をうまく当て、関節の合わせ目を探すように切り込みます。
◯ スッと刃が通る場所があるので、そこを狙って切り離すときれいに外れます。
筋・膜の処理
次に筋膜の処理に移ります。
◯ 例えば鶏のササミの筋など、身と密着している場所は少しずつ切り開き、筋の端をつかんで引っ張りながら包丁でこそぎ落とします。
◯ 無駄に身を削り落とさないよう、刃先をギリギリのところに当てるのがポイントです。
◯ 骨スキ包丁は刃先が細いので、筋を外す時に身を大きく削ってしまうリスクは少ないですが、慎重に取り除くようにすると歩留まりが良くなります。
骨スキ包丁の研ぎ方
次に骨スキ包丁の研ぎ方についてお伝えしていきます。
準備するもの
1.砥石(中砥・仕上砥)
◯ 1000前後の中砥と、#3000~#6000程度の仕上砥があると望ましいです。
◯ 刃こぼれが大きい場合は、#400~#600程度の荒砥石で形状を整えた後、中砥・仕上砥へ移行します。
2.砥石台(あれば便利)
◯ 砥石が安定しやすく安全に研ぎやすいので、可能であれば使用しましょう。
3.水または研ぎ油(オイルストーンを使用する場合)
◯ 水砥石の場合は砥石を水に十分浸し、水分を適宜補給しながら研ぎます。
◯ オイルストーンの場合は、砥石の種類に合わせたオイルを使用します。
刃こぼれが大きい場合や、切っ先が曲がっている場合は荒砥石を使って形を整えます。
比較的小さい欠けなら中砥から始めてもかまいません。
中砥での研ぎ
まずは中砥での研ぎについてです。
◯ 骨スキ包丁は三徳包丁や牛刀に比べやや鋭めに研ぐ場合が多いですが、切っ先が欠けやすいので15~20度を目安に角度を保ちます。
◯ 角度が一定になるように留意しましょう。
◯ 柄側から切っ先に向かって、押すときに研ぎ、引くときに力を抜くイメージで動かします。
◯ 刃先全体が均一に砥石に当たるよう、徐々に包丁を動かして位置をずらしながら研ぎます。
◯ 表面(片側)を研いだら、指の腹で反対側をなぞって“刃返り”が出ているか確認します。
◯ 刃返りが出たら、裏面を同様に研いで刃返りを反対側へ移します。
◯ 中砥の工程は完了です。
◯ 刃返りを軽く取り除くために、弱い力でサッと全体を研ぎならしておくと次の工程で整えやすくなります。
仕上砥での研ぎ
次に仕上砥での研ぎに移っていきます。
◯ 中砥で作った刃先をより細かく整え、切れ味を出す工程です。
◯ 特に切っ先は欠けやすいので、力を入れすぎないように注意します。
◯ 仕上砥では、刃返りをやさしく取るようなイメージで研ぎます。
◯ 無理に押し付けず、やや軽めの力で滑らすように研いでください。
◯ 刃先にギザギザが残っていないか、光の加減や指先の感触で確認します。
◯ 最後に刃全体を数回、表裏軽く研いでバリを取り除いたら完了です。
骨スキ包丁の選び方のポイント
以下は、骨スキ包丁(ほねすき包丁)を選ぶ際にチェックしておきたい主なポイントを、一覧表の形式でまとめたものです。ご自身の用途や好みに合った包丁選びの参考にしてみてください。
項目 | ポイント | 詳しい内容やメリット/デメリット |
---|---|---|
刃の形状 先端タイプ | 尖った先端(剣先型)が一般的。 丸先型などもあり | – 剣先型:骨周りを外しやすく、細かい作業に適している。 – 丸先型:先端が丸くなっており、安全性や扱いやすさを重視する場合に選ばれることもある。 |
刃の長さ | 約13cm~16cm程度が多い | – 短め(13cm前後):小回りが利きやすく、狭い場所でも操作しやすい。 – 長め(16cm以上):鶏や魚だけでなく、他の食材処理にも使いやすいが、取り回しに慣れが必要。 |
刃の素材 | 炭素鋼・ステンレス鋼・粉末鋼など多様 | – 炭素鋼:切れ味・研ぎやすさに優れるが、錆びやすい。 – ステンレス鋼:錆びにくく手入れが簡単。 – 粉末鋼(粉末ハイス鋼など):高価だが切れ味・耐久性が高い。 |
硬度 (HRC) | HRC 58~62程度が主流 | – 硬度が高いほど刃持ちが良いが、欠けやすい傾向がある。 – ご自身の使用頻度・研ぎのスキルなども考慮して選ぶ。 |
刃付け (片刃/両刃) | 和包丁スタイルは片刃、洋包丁スタイルは両刃が多い | – 片刃(和式):より鋭利な刃付けが可能で肉離れも良いが、研ぎ方・使い方に慣れが必要。 – 両刃(洋式):左右対称で扱いやすく、初心者でも比較的使いやすい。 |
重量(バランス) | 軽量タイプ~やや重めまで様々 | – 軽量タイプ:長時間作業でも疲れにくい。骨を外す作業が多いなら軽めが無難。 – 重めタイプ:力を入れなくても切り進めやすいが、慣れないと疲れやすいことも。 |
柄の形状・素材 | 和柄・洋柄、木柄・合成樹脂柄など | – 和柄(木製・八角柄など):握りやすく軽量だが、木柄は水に弱い面もある。 – 洋柄(POM樹脂・ステンレス一体型など):耐久性や衛生面で優れ、メンテナンス性が高い。 |
価格帯 | 数千円~1万円以上 | – プロユース:高級素材(粉末鋼など)やブランド品は高価格帯。 – 家庭用:ステンレスなど中価格帯でも十分機能し、コストパフォーマンスが良い。 |
ブランド メーカー | 国内外多数あり | – 信頼性やアフターケアを重視するなら、評判の良いメーカーや老舗ブランドを選ぶと安心。 – 職人系ブランドなどではオーダーメイドや独特の仕上げがある場合も。 |
メンテナンス | 研ぎやすさ・錆への耐性・日常ケア | – 初めて骨スキ包丁を使うなら、ステンレス系で錆びにくく研ぎやすいものがおすすめ。 – 炭素鋼なら定期的な研ぎ直しや水分除去などの手入れが必須。 |
骨スキ包丁を選ぶ際は以下の表を参考にしていただければと思います。それぞれの用途によって選ぶ刃材を選択していきましょう。

おすすめの骨スキ包丁
それではいくつかおすすめのプロ用の骨スキ包丁を紹介していきます。
堺孝行 青二鋼 サバキ(東型)150mm


切れ味 ★★★★★ | 刃に青紙2号鋼を用いた本モデルは、研ぎ上げた際の鋭さは抜群です。炭素量が多く純度の高い鋼ゆえ、包丁の素材としては最高クラスの切れ味を発揮します。実際、安来鋼系の刃物は砥石で研ぎおろす際にも素直に刃が付くためカミソリのような鋭角刃をつけやすく、そのまま食材に当てればスパッと切れる感覚を得られます。骨スキ包丁としては刃先が厚めですが、それでも青二鋼の持つ食い込みの良さのおかげで筋や軟骨にも滑らかに刃が入っていき、「スッと切れる」爽快な切れ味を感じられます。 |
刃持ち ★★★★☆ | 青二鋼は白紙鋼に比べてクロム・タングステンの効果で摩耗に強く長切れするよう調整された鋼材です。そのため、この包丁も使い始めの鋭い切れ味が長持ちしやすく、プロユースの忙しい現場でも研ぎ直しの頻度を減らせます。一度に大量の食材を裁く方に勧められるというほど刃持ちの良さには定評があります。実際の使用では、骨に当たるたびに多少刃先の鋭さは鈍りますが、それでも完全に切れなくなる前にある程度の切れ味を保ってくれるのが青二鋼の「甘切れ」する特性です |
錆びにくさ ★☆☆☆☆ | 錆びには非常に気を遣う鋼です。青二鋼はステンレスではなく高炭素の合金鋼で、クロム含有量も不十分(不銹化に必要な13%以上ではない)ため放置すればすぐ錆が浮いてきます。水気や血が付いたままにしておくのは禁物で、使用後は速やかに洗って水分を拭き取り、乾燥させて保管しなければなりません。 |
メンテナンス ★★★☆☆ | メンテナンス面では研ぎやすさと扱いの難しさが同居します。刃が鈍ってきた際には砥石で比較的簡単に鋭さを取り戻せるのは炭素鋼の強みで、青二鋼も適切に焼入れされていれば砥石の当たりが良く比較的短時間で刃が付く印象です。一方で前述のように錆びやすいため、日々の使用後の手入れ(洗浄・拭き取り・油塗りなど)に手間がかかる点はマイナスと言えます。 |
美しさ ★★★★☆ | 伝統的な和包丁らしいシンプルな霞模様や黒打ち仕上げの風合い。見た目の豪華さは控えめだが、使い込むほど渋い味わいが出る。 |
価格 | 25,100円(税込)150mm |
堺を代表する包丁メーカー「堺孝行(青木刃物製作所)」による、青紙二号鋼(青二鋼)を使った骨スキ包丁。関東型の角型(東型)デザインで刃渡り15cm、片刃仕様の本格派。

青紙二号は高い切れ味と長切れする刃持ちが特徴で、プロの肉引きにも耐える一本に仕上がっています。鋼ならではの研ぎやすさもある一方、錆びやすいのでメンテナンスには注意が必要です。
骨に沿って包丁を入れたときのスッと入る感じが病みつきになります。和包丁らしい軽さで細かな筋引きも思いのまま。扱いには気を遣いますが、この切れ味を知ってしまうと他には戻れませんね。
鶏を捌く際に刃先の食いつきが良いので関節の間に正確に刃を入れられます。研ぎ直した後の鋭さは格別で、筋一本まで断ち切る感触が手に伝わります。ただ、やはり濡れたまま置けないので、忙しい現場ではサッと拭く習慣が欠かせません。
實光刃物の【PM2】骨スキ角が両刃


切れ味 ★★★★☆ | 刃先の鋭さは驚くほどで、骨周りの筋や肉をスッと切り離せます。銀三鋼の包丁は「鋼に勝るとも劣らない切れ味」を持つとされ、この包丁も例にもれず非常にシャープです。硬質な銀紙3号を使用し刃付けもしっかりしているため、箱出し直後から髭が剃れるような切れ味を楽しめるでしょう。厚みのある刃ですが刃先は細く尖っており、鶏関節の隙間に食い込ませるような精密なカットも容易です。「切れ味重視の和包丁=錆びやすい」という常識を覆す、納得の切れ味性能です。 |
刃持ち ★★★★☆ | 切れ味の持続性も高く、プロの現場でも長く研がずに作業を続けられます。銀三鋼は硬度が高いため摩耗しにくく、鋭い切れ味が持続しやすいことが知られています。実際にこの包丁も、一度研いでおけば大量の肉をさばいても切れ味が鈍りにくく感じられます。刃厚がある頑丈な造りで刃こぼれしにくいので、骨に当ててもエッジが傷まず結果的に長切れする点も優秀です。 |
錆びにくさ ★★★★★ | ールステンレスの銀三鋼のおかげで、錆びに対する強さは折り紙付きです。生肉や魚を扱う包丁でも、水分や血が刃に付着しても錆の心配が少ないのは大きな利点です。実際の使用でも、業務中にいちいち水気を拭き取る手間が減り、ストレスなく作業に集中できます。 |
メンテナンス ★★★★☆ | 炭素鋼のように頻繁な防錆処理は不要です。また、切れ味が落ちてきた際の研ぎ直しも容易です。銀三鋼はステンレス鋼の中でも特に研ぎやすい素材で、砥石で刃を付け直しやすい特長があります。実際、硬さがありながら砥石の乗りも良いので、数回ストロークするだけで刃が再び鋭く蘇ります。 |
美しさ ★★★★☆ | プロ仕様の道具らしい質実剛健な美しさがあります。鏡のように磨かれたステンレスの刃は清潔感があり、銀紙3号ならではの上品な光沢を放ちます。 |
価格 | 24,860円(税込)150mm |
實光刃物の【PM2】骨スキ角が両刃の全鋼包丁です。
實光刃物の「PM2 骨スキ角(両刃)」は、プロ仕様の骨スキ包丁です。骨付き肉から身を切り離すために作られた包丁で、通常の牛刀より刃に厚みがあり、骨に当たっても刃こぼれしにくい頑丈さが特長です。
刃渡りは標準的な15cm程度で小回りが利き、鶏肉の解体や魚の三枚おろしなど幅広い用途に対応します。また、本製品は刃先が尖った東型(角型)のデザインで、刃元に「アゴ」と呼ばれる角がある形状です。
この角型形状により細かな作業がしやすく、刃元の角が指を守るストッパーの役割も果たします。両刃仕様のため左右どちらの利き手でも扱いやすく、様々な角度から切り込みやすい点も魅力です。
鋼材は銀紙3号を用いており、錆びにくくメンテナンスが容易であるにも関わらず切れ味がするどいステンレス鋼となっています。
ステンレスでありながら切れ味は炭素鋼に劣らないほど鋭く研ぎ上げることができ、ステンレス鋼の中でも特に研ぎやすいという特徴があります。
プロの和食料理人からも評価が高く、繊細な作業や薄引きにも適した切れ味と扱いやすさを両立した鋼材です。つまり、このPM2骨スキ角は「錆に強いのに切れ味抜群」という理想的な包丁に仕上がっているのです。
骨スキ包丁は初めて使いましたが、その切れ味と扱いやすさに驚きました。鶏一羽を解体するのに、この一本で十分です。刃先が細く鋭利なので関節の隙間にスッと入り込み、無駄な力を入れずに骨から身を外せます。魚をおろす際にも出刃包丁のように使えて、身が潰れず綺麗にさばけました。銀三鋼は錆びにくいおかげで、刺身用の魚を捌いている最中に刃が錆びる心配をしなくていいのも助かりますね。
毎日業務で鶏や鴨を捌いていますが、實光の骨スキのおかげで作業効率が上がりました。まず刃の頑丈さが素晴らしく、多少骨に当てても刃こぼれしません。以前使っていた安価な包丁ではすぐ刃が欠けて研ぎ直しが必要でしたが、このPM2に替えてからは研ぐ頻度が格段に減りましたね。それでいて切れ味の鋭さは一級品で、筋引きナイフでは手こずるような硬い筋もスッと断ち切れます。
堺一文字光秀 FV10 骨スキ包丁(角型)150mm


切れ味 ★★★★☆ | ステンレス鋼でありながら炭素鋼に全く劣らない切れ味を持つのがこのFV10モデルです。V金10号相当鋼材の特徴である微細な刃先と高硬度(HRC60前後)のおかげで、肉の筋膜や関節部もスッと切り離せる鋭利さを備えています。実際、堺一文字光秀の紹介でも「ステンレス最高峰の切れ味」を謳っている通りで、箱出し直後の初期刃付けも非常に良好です。評価を4としたのは、炭素鋼特有の「刃先の食いつき感」(切断初撃の鋭さ)では青二鋼に僅かに軍配が上がるためですが、研ぎ方次第では十分5に匹敵する切れ味を引き出せるポテンシャルがあります。 |
刃持ち ★★★★★ | V金10号鋼の最大の魅力は刃の持続性の高さにあります。炭素1%含有の硬質ステンレスに加え、コバルトの添加で金属組織が強化され、さらにモリブデン・バナジウムなどが生む硬質な炭化物によって耐摩耗性が飛躍的に向上しています。その結果、プロが毎日酷使しても切れ味が長続きしやすく、例えば毎日鶏を捌くような現場でも刃先の劣化が遅いとの声があります。またステンレスゆえ錆による刃先劣化も起きにくく、青二鋼に比べて研ぎ直しや刃交換のタイミングを延ばせる点で優秀です。 |
錆びにくさ ★★★★★ | 極めて錆びに強いのがステンレス鋼のFV10を採用したモデルの利点です。15%もの高クロム含有により刃物用鋼材としては最高クラスの耐食性を持ち、日常的な使用で錆に悩まされることはまずありません。生肉を扱った後でも水洗いさえすれば錆が発生しにくく、酢やレモン汁など酸性の食材に触れても変色・腐食しづらいので、メンテナンスの手間を大幅に軽減できます。 |
メンテナンス ★★★★☆ | まず錆びにくいことで日常の扱いは格段に楽になりますし、刃こぼれもしにくいため刃線を整える頻度も多くありません。硬度自体は高いもののV金10号は被削性(研削のしやすさ)が良好な鋼でもあり、砥石での研ぎもさほど難しくはありません。実際、同社のGライン(V金1号)など他のステンレス系と比べても「FV10の方が砥石の乗りが良く研ぎやすい」という研ぎ師の声もあるほどで、ステンレス包丁としては研ぎによるメンテナンスがしやすい部類です。 |
美しさ ★★★★☆ | 洋包丁スタイルの洗練されたルックスを持っています。刃身はステンレスならではの銀色の光沢があり、使い込んでも錆や曇りが出にくいため清潔感を保ちやすいです。和包丁に比べ装飾的な要素は少ないものの、そのシンプルさがかえって現代的でスマートな印象を与えます。ビス止めされた黒いハンドルは頑丈さと機能美を感じさせ、キッチンで他の洋包丁類と並べても統一感があります。堺一文字光秀ブランドの包丁は仕上げの美しさにも定評があり、継ぎ目のないオールステンレスの地金やカチッとした刃線など、細部まで丁寧な作りが見て取れます。 |
価格 | 27,800円(税込)150mm |
大阪ミナミの道具屋筋商店街に店舗を構えて70年以上になる老舗の包丁専門店「一文字厨器」を中核とした包丁ブランドです。そのルーツは江戸時代初期の刀匠・一文字則宗にまで遡ると言われ、刀剣の流れを汲む信頼のブランドとして知られています
この包丁の独自性はプロユースに応える万能性にあります。
高硬度ステンレスによる切れ味と持続性は他社の骨スキ包丁と比べてもトップクラスで、実際「ステンレス最高峰の切れ味と刃持ち」を謳うに相応しい性能を備えています。
錆びに強くメンテナンスが容易なため、忙しい厨房でもストレスなく酷使できるタフさは大きな強みです。他の骨スキ包丁(例えば量販モデルのモリブデン鋼製など)では味わえない安心感と安定感があり、一日中ハードに使っても刃がヘタらない頼もしさがあります。
また堺一文字光秀ブランドならではの丁寧な仕上げと品質管理により、購入後の研ぎ直しサービスや名入れ対応などアフターケアも充実しています。
総合的に、高い次元で切れ味・耐久性・メンテナンス性を両立させた骨スキ包丁であり、「錆びに強く扱いやすいが切れ味も犠牲にしない」という点で他のステンレス骨スキ包丁との差別化が図られています。
ステンレスとは思えないほど切れ味が長持ちするので驚きました。朝に刃を付け直せば、一日中鶏を捌いても夕方まで切れ味が保ちます。錆びを気にせずガシガシ使える安心感があり、現場の相棒として非常に信頼できる包丁です。
重量バランスが良く、骨に当てても刃こぼれしないタフさに助けられています。硬い軟骨を外すときも安心感があり、力を入れやすい洋包丁のハンドル形状も扱いやすいですね。砥石で研ぐときも思ったより素直に刃が付くので、自分でメンテナンスしながら長く付き合える一本だと感じます。
まとめ
骨すき包丁は、その名の通り骨のまわりの肉をきれいにそぎ落とすために開発された包丁です。
角型や丸型、さらに大型の「ガラスキ」など幅広いラインナップがあり、鶏肉の解体や骨取りが手早く行えます。
使用後はすぐに水洗い・乾燥し、適切な研ぎ角度で刃を研ぎ、最後に錆止め油を塗ることで切れ味を長持ちさせることができます。プロはもちろん、家庭でも正しく扱うことで効率的に食材を準備できる、心強い一本です。
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