様々な包丁がありますが、三徳包丁は最も基本的な万能包丁であり家庭には欠かせない存在となっています。
明治時代に海外から入ってきた牛刀包丁に菜切包丁の特徴を組み合わせて生み出された日本発祥の包丁でもあります。
ご家庭では毎日使う三徳包丁かと思いますが、なんとなく包丁を選んでいる方も多いかと思います。
今回は各家庭の趣向にあった形で、カテゴリー毎にわけながらプロ目線でも十分活用可能な三徳包丁をランキング形式で魅力的な三徳包丁をお伝えしていきたいと思います。
三徳包丁を選ぶ際に重視するポイント
まずは包丁を選ぶ際に重視するポイントを簡単にお伝えしていきます。
素材による違い
一言に包丁といっても作られる素材によって全くことなります。

包丁の素材については以下の記事で詳しくまとめています。

簡単に上記の記事をまとめると、素材毎の特性は以下のようになります。
材質 | メリット | デメリット |
---|---|---|
炭素鋼 | – 非常に鋭い刃付けが可能で、切れ味が良い – 研ぎやすく、長切れが期待できる | – 錆びやすく使用後の水分拭き取りやこまめな手入れが必須 – ステンレスに比べて扱いが難しく黒ずみなどが発生しやすい |
ステンレス鋼 | – 錆びにくく、お手入れが簡単 – 衛生面で優れ、業務用にも広く使用される | – 炭素鋼に比べると切れ味がやや劣ることがある – ただZDP189のような炭素鋼を凌ぐものもある – 金属によっては研ぎにくい場合がある |
ダマスカス鋼 | – 複数の鋼材を重ね合わせた独特の模様が美しく、所有欲を満たす – 鋼材の組み合わせによっては、硬度と粘りを両立し、切れ味と耐久性を高められる | – 高価な商品が多い – 使われている鋼材によっては錆びやすく、炭素鋼部分のケアが必要 |
粉末ハイス鋼 | – 高い硬度と耐摩耗性を持ち、切れ味が長持ちしやすい – 刃先がなまくらになりにくく、研ぎ直しの回数を減らせる | – 研ぎには専用の砥石や技術が必要で難易度が高い – ステンレス鋼などに比べると価格が高め |
セラミック | – 錆びず、金属臭がつかない – 非常に軽量で、長時間使用しても手が疲れにくい | – 衝撃に弱く、刃が欠けたり割れたりしやすい – 研ぎ直しが難しく、専用の研ぎ器具を使うかメーカーでのメンテナンスが必要 |
また、一言に炭素鋼やステンレス鋼といっても様々な分類があります。代表的な鋼材は以下のような特性を持っています。プロに最も使用されているのが白紙2号や青紙2号で、ステンレスであれば銀紙3号やVG10号などのバランスのよい鋼材が好まれています。

ステンレス鋼も、混ぜ合わせる配分によって硬度やメンテナンスの容易さが変わってきます。非常に奥が深いのです。
趣向によって選ぶべき鋼材が変わってくるのです。以下の表を参考に、自分がどのタイプの三徳包丁を求めているのかを考えて包丁を選んでください。ランキングではそれぞれの趣向に応じておすすめの包丁をお伝えしていきます。

製法によっても大きな差がでる
素材だけでなく製法によっても大きな差がでます。まず、片刃か両刃という違いがあります。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
片刃 | – 刃先が鋭く、繊細な切り口を実現しやすい – 魚の三枚おろしや刺身を作るなど、特定の調理に特化して優れた切れ味を発揮 – 一方向(右利き・左利き)に最適化され、スムーズな切断が可能 | – 利き手に合わせたものが必要で、基本的には右利き・左利き用で別々に作られる – 研ぎ方が特殊で難しく、包丁の角度や砥石の使い方など熟練が必要 – 汎用性が低く、特定用途向けになる |
両刃 | – 汎用性が高く、肉・野菜・魚など幅広い食材に対応できる – 研ぎ方が比較的シンプルで、左右対称の角度で研ぐため管理がしやすい – 左利き・右利きどちらでも使用可能 | 刃角度が片刃より大きい場合があり、片刃に比べると切れ味や繊細さで劣ることがある 食材によっては刃の入り方がスムーズでない場合がある(片刃のような専用性がない) |
基本的には三徳は家庭用の包丁であり、扱いやすさを重視して両刃が基本形になっていますが、片刃の三徳包丁も存在しています。今回はあくまで家庭用の三徳包丁ということで両刃を推奨していきたいと思います。
また、両刃包丁といっても刀部分の製法にも大きな差があります。
すべて炭素鋼で作られている全鋼包丁と炭素鋼をステンレス等で挟む割り込み包丁や三枚合わせ包丁があります。

種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
両刃の全鋼包丁 | – 刃全体が同じ鋼材で構成されているため、包丁全体が均一な硬度を持ち切れ味が安定している – 研ぎ方がシンプルで、刃先から背まで同素材のため研ぎやすい | – 硬度が高い鋼材を使う場合は欠けが発生しやすい – オール鋼(炭素鋼など)の場合、錆びやすいのでこまめな手入れが必要 – 材料自体により価格帯が幅広い |
両刃の割り込み包丁 | – 切刃(芯材)に硬度の高い鋼を使用し、外側を柔軟性のあるステンレスや軟鉄で挟むことで、切れ味と耐久性を両立 – 芯材部分以外がステンレスだと錆びにくい | – 構造が複雑な分製造コストが高くなる傾向がある – 芯材と側材で硬度が異なるため、研ぎの際は芯材部分を意識した技術が必要 – 柔軟性を持たせる反面、芯材が欠けると交換が難しい |
素材や製法を加味してランキングでは以下のどの機能を重視するかを加味してお伝えしています。

最後の見た目の美しさを重視する方に向けたランキングは作成していません。ただ、今回紹介する14本の包丁の中に見た目が素晴らしい包丁はいくつも含まれていますので参考にしていただければと思います。
最高の切れ味を追求したい方向けのおすすめ三徳包丁ランキング
まずは最高の切れ味を追求したい方に向けて、白紙鋼や白紙鋼を使った包丁をランキング形式でお伝えします。

第1位:【白二】三徳包丁


切れ味 ★★★★☆ | 白紙1号特有の極めて細かな鋼の粒子と高硬度により、刃先は剃刀級の鋭さで他の鋼材を凌ぐ切れ味を実現しています。 |
刃持ち ★★★★☆ | 硬度が高いため比較的長く切れ味が持続します。純炭素鋼ゆえ超高合金鋼ほどの耐摩耗性はありませんが、それでも日常使用では十分に刃が長持ちします。 |
錆びにくさ ★★☆☆☆ | 芯材・側材ともに炭素鋼のため放置すれば錆が出ます。使用後は水分をしっかり拭き取り、油膜を作るなど防錆対策は欠かせません。 |
メンテナンス ★★★☆☆ | 高炭素鋼のため錆びやすく使用後の水分除去は必須ですが、合金を含まない分砥石での研ぎ直しは比較的容易で、切れ味も回復しやすいです。 |
美しさ ★★★★☆ | 霞刃仕上げの上品な外観で、日本刀のような刃文が淡く現れ伝統美を感じさせます。過度に華美ではないものの、職人技が光る仕上がりです。 |
価格 | 35,090円(税込) |
實光刃物(じっこうはもの)は、大阪府堺市に拠点を構える、包丁や刃物製品を製造・販売する老舗の刃物店です。堺堺はプロが使う包丁の8割を生産している包丁の名産地です。

實光刃物もその伝統を受け継いでいます。
【白二】三徳包丁に使用されている鋼材は名前から分かる通り白紙2号です。白紙2号は炭素鋼の基本となる鋼材でプロに最も使用されている刃材となります。

炭素の配合比率が高いため鋭い切れ味を誇り、錆びやすいのは欠点ではありますが研ぎやすいという長所も備えています。

實光刃物は一本一本職人の手によって仕上げられており、白紙2号の包丁の性能を極限まで高めておりあらゆるプロにもおすすめできる一本となります。
プロの和食料理人にとって信頼できる一本です。刃材に高品質な白紙2号鋼を使用し、鋭い切れ味と研ぎやすさを兼ね備えています。肉、魚、野菜と多用途に対応できる三徳包丁の形状は、和食の現場で重宝します。また、出荷前に全品刃付けが施されており、購入後すぐに最適な切れ味を体感できます。さらに、鏡面仕上げや本刃付けなどのカスタマイズも可能で、自分好みの一本に仕上げられる点も魅力です。
この包丁は、柄の材質や口輪の種類を選択でき、手に馴染む最適なバランスを追求できます。黒檀や紫檀などの高級素材を使用した柄は、長時間の使用でも疲れにくく、作業効率を高めます。また、實光刃物は120年以上の伝統を持ち、全品検品を徹底しているため、品質と信頼性に優れています。プロの現場で求められる精度とパフォーマンスを備えたこの三徳包丁は、料理人の期待に応える優れたツールです。
第2位:【青紙2号 三徳包丁】(堺孝行)


切れ味 ★★★★★ | 青紙2号特有のキレの良さで、刃先は紙を吸い込むようにスッと入ります。新品時の刃付けも極めて鋭利で、トマトの皮すら抵抗なく引っかからず切れるレベルです。 |
刃持ち ★★★★☆ | 非常に硬い刃材のため長時間切れ味が持続し、業務用の連続使用でも頻繁な研ぎ直しが不要です。青紙2号は白紙系よりタングステンなどの合金元素を含み摩耗に強いため、優れた刃持ちを発揮します。 |
錆びにくさ ★★☆☆☆ | 刃材が純炭素鋼でクロムを含まないため錆びやすさは否めません。「こまめな手入れが必要な鋼」で、使用後は水分や酸にさらさないよう注意が必要です。 |
メンテナンス ★★★☆☆ | 錆びやすい分こまめな手入れが必要ですが、比較的研ぎやすい鋼材で砥石での刃付けは容易です。 |
美しさ ★★★★☆ | 鍛接による地金と刃金のコントラストや、刃に浮かぶ霞模様が渋い美しさを醸し出しています。鏡面に近い研磨仕上げで光を反射する様は高級包丁ならではで、飾り気のない和柄ながら存在感は抜群です。 |
価格 | 20,700円(税込) |
青紙2号は炭素鋼の最高峰とも称される鋼材で、高炭素(約1.1%)にタングステンなどを含み非常に鋭い刃が付けられます。
堺孝行の三徳包丁は熟練職人がこの青紙2号を軟鉄と本鍛造で鍛接し、刃付けまで丁寧に仕上げています。硬度は約HRC62前後と高く、包丁の切れ味と刃持ちを両立しています。
一方でステンレス成分を含まないため錆びやすいですが、黒錆(パティーナ)を育てることである程度の耐食性を持たせることも可能です。
オーソドックスな和包丁スタイルで、美しい地金の霞模様と研ぎ上げられた鏡面の刃先が伝統工芸品の風格を漂わせます。
薄刃に仕上げられているため食材への食い込みがよく、野菜の千切りから肉のスライスまでスムーズに切断できます。高級素材と職人技の結晶で、プロの料理人が一生ものとして愛用できる一本です。
切れ味の鬼と言える一本です。仕込みで大量の大根桂剥きをしましたが、刃がスッと入り滑らかに引けるので薄紙のような桂剥きが容易にできます。刺身の引き切りでも繊維を潰さず断面が輝くほど綺麗に切れました。さすが青紙2号、研ぎ上げた刃はカミソリそのものです。使うたびに水気を拭き取る手間はありますが、この切れ味を知ってしまうと手放せません。まさに職人の相棒として一生ものの価値がありますね。
長時間使っても切れ味が落ちにくく、忙しいディナー営業中に研ぎ直す必要がほとんどありませんでした。刺身を引いたり巻物用にキュウリを極薄にスライスしたりしましたが、終始ストレスなく作業できました。錆には気を遣いますが、そのぶん包丁に愛着が湧きます。使い込むうちに黒錆が付いてきて、それがまた良い味わいです。研ぎやすい鋼なので、自分で砥石でメンテしながら永く付き合っていける包丁です。
第3位:菊月『渦』三徳包丁(堺菊守)

切れ味 ★★★★☆ | 白紙1号特有の極めて細かな鋼の粒子と高硬度により、刃先は剃刀級の鋭さで他の鋼材を凌ぐ切れ味を実現しています。 |
刃持ち ★★★★☆ | 硬度が高いため比較的長く切れ味が持続します。純炭素鋼ゆえ超高合金鋼ほどの耐摩耗性はありませんが、それでも日常使用では十分に刃が長持ちします。 |
錆びにくさ ★★☆☆☆ | 芯材・側材ともに炭素鋼のため放置すれば錆が出ます。使用後は水分をしっかり拭き取り、油膜を作るなど防錆対策は欠かせません。 |
メンテナンス ★★★☆☆ | 高炭素鋼のため錆びやすく使用後の水分除去は必須ですが、合金を含まない分砥石での研ぎ直しは比較的容易で、切れ味も回復しやすいです。 |
美しさ ★★★★☆ | 霞刃仕上げの上品な外観で、日本刀のような刃文が淡く現れ伝統美を感じさせます。過度に華美ではないものの、職人技が光る仕上がりです。 |
価格 | 50,000円(税込) |
白紙1号は安来鋼白紙系の中でも炭素含有量が最も高く、切れ味が最も良い最高級鋼材です。
不純物を極限まで取り除いた純度の高い炭素鋼で、クロムやタングステンなどの合金元素を含まないため粒子が非常に細かく、研ぎ上げれば剃刀のような鋭利な刃が付きます。
熟練の堺の鍛冶職人がこの白紙1号を芯材に用い、軟鉄と鍛接する本鍛造で丹念に鍛え上げています。高温で熱した鋼材を何度も叩いて成形し、水焼入れによって硬度HRC63前後の硬い刃に仕上げます。
白紙1号は硬度が高く刃先が非常に鋭い反面、焼入れ・焼戻しの加減が難しく、職人の高度な技術が要求される鋼材です。その分、正確な温度管理と伝統技法によって生み出された刃は、まさに一生ものの品質と言えるでしょう。
鍛造後は堺の研ぎ師が一丁一丁丁寧に刃付けと研磨を施し、刃先は鏡面のように光るほど研ぎ抜かれています。軟鉄との境目には霞模様のような美しい刃文が浮かび上がり、伝統工芸品としての風格も備えています。
実際の使用感も感動的です。ずば抜けた鋭さでトマトの皮や柔らかい豆腐すらスッと刃が入り、食材を潰さずに切断できます。鍛え抜かれた薄い刃は食材に吸い付くように入り、刃が食材を捉えて離しません。
そのため、包丁の重さと鋭さでスッと引くだけで食材が切れる感覚が得られ、繊細な千切りや刺身の引き切りでも断面が驚くほど滑らかです。野菜の細胞を潰さずにカットできるので、断面の変色を抑え鮮度を保つ効果もあります。白紙1号の刃は高硬度ゆえ、長く使っても切れ味が持続しやすいのも魅力です。
ただし非常に硬い分、骨や冷凍食品への使用は避け、しなりを加えるような使い方にも注意が必要です。オールラウンドな三徳包丁として、野菜の千切りから肉のスライスまでこなしますが、とりわけ繊細なカットや薄引きに真価を発揮します。プロの料理人や包丁愛好家の方にとって、究極の切れ味を求める一本として最適でしょう。
初めて手にした瞬間から切れ味の次元が違いました。包丁の重みでスッと食材が切れていく感覚に感動です。大根の桂剥きも驚くほど薄く均一にできて、料理の仕上がりがワンランクアップしました。
本当に良く切れるので、研ぐ頻度が多少多くてもまったく苦になりません。錆びやすい点だけは注意が必要ですが、それも含めて丁寧に扱いたいと思える逸品です。
大量の食材を捌く方におすすめの三徳包丁ランキング
次に大量の食材を捌く方におすすめの三徳包丁をお伝えしていきます。

第1位:【CT】青S 三徳包丁(實光刃物)


切れ味 ★★★★★ | 非常に高硬度な青紙スーパー鋼を職人が丁寧に研ぎ上げており、紙をスッと押し切れるほどの驚異的な切れ味です。刃先の食いつきが良く、繊維質の食材も抵抗なく切断できます |
刃持ち ★★★★☆ | 硬度・耐摩耗性に優れた鋼材のため切れ味の持続性は高く、長時間の使用でも切れ味が保たれます。ただし超硬度ゆえに衝撃で微小な欠けが生じる可能性があり、最高級粉末鋼ほどの長期間の保持ではないため4としています。 |
錆びにくさ ★★★☆☆ | 芯材が高炭素鋼のため油断すると刃先に錆が生じます。しかし表面のステンレス層が大部分を占めているため比較的錆びにくく、適切に手入れすれば錆の発生はかなり防げます |
メンテナンス ★★★☆☆ | ステンレス鋼を側材に用いているため裸の炭素鋼包丁より錆管理は容易ですが、刃先部分は使用後に水分をきちんと拭き取る必要があります。炭素鋼は研ぎやすく切れ味も回復しやすいものの、硬度が高いため研ぎ直しにはやや時間と技術を要します |
美しさ ★★★★☆ | 伝統的で力強い美しさがあります。派手さを抑えた渋いデザインながら細部の仕上げも丁寧で、和の風格を漂わせる外観です。 |
価格 | 21,230円(税込) |
まずは實光刃物の【CT】青S 三徳包丁です。實光刃物は京都・四条堀川に店を構える老舗打刃物店です。百年以上の歴史と職人技で高品質な包丁を製造・販売しているメーカーです。
芯材に安来鋼の最高級鋼種「青紙スーパー」を採用しており、非常に高い硬度(HRC65前後)を実現しています。青紙スーパー鋼は炭素量が多くタングステンやバナジウムなどの合金元素を含むため、刃先の強度と耐摩耗性に優れています。

その結果、薄く研ぎ上げた刃は驚くほど鋭利で、プロの要求に応える切れ味と持続性を発揮します。
本製品は伝統的な本鍛造の三層構造で作られており、青紙スーパー鋼の芯材を両側からステンレス鋼で挟み込んで鍛接しています。

この「割込み」構造により、青紙スーパーの抜群の切れ味と長切れ性能を活かしつつ、表面はステンレスなので錆びにくくメンテナンス性も良好です。
堺の熟練職人が一丁一丁手作業で鍛造・熱処理・研磨を行っており、最適な焼入れ・焼戻しによって硬さと粘りのバランスを整えています。
刃表面には黒打ちの風合いと槌目模様が施され、伝統美あふれる外観だけでなく食材の滑りを軽減する機能性も備えています。握り部分には和包丁ならではの木製ハンドルを採用し、手になじむ形状で長時間の使用でも疲れにくい設計です。
三徳包丁として肉・魚・野菜を問わずオールマイティに活躍し、特に鋭い刃先はトマトの皮のような軟らかい食材から大根や人参など硬い根菜まで滑らかに断ち切ります。
切断面が綺麗に仕上がるため食材の風味や食感を損ないません。ただし芯材が炭素鋼であるため、酸の強い食材を切った後などは包丁をしっかり洗って水気を拭き取るなど、錆に対する基本的なケアは必要です。
私は寿司店の板前ですが、実用で使う包丁としてこの青紙スーパーの三徳包丁に非常に満足しています。刃の切れ味は刺身包丁に匹敵するほど鋭く、大根のかつら剥きもストレスなく薄く長く引けます。魚を捌いた後にすぐ野菜を刻んでも、切れ味が落ちにくいので調理の流れが途切れません。使用後は毎回丁寧に水気を拭き取っていますが、今のところ刃先の錆は出ておらず、少しずつ青鋼特有の薄い霞がかったような錆 が出てきて、それも味わいになっています。プロの道具らしい風格と性能を兼ね備えた一本です。
フレンチの厨房で野菜の下ごしらえから肉のスライスまで、この包丁を毎日のように酷使しています。驚くのはその切れ味の良さで、トマトの薄切りも包丁の重さだけでスッと切れるほど。牛肉の筋引きや鶏肉のトリミングでも刃先が滑らかに入るので、食材を美しくカットできます。刃持ちも良く、朝から晩まで大量の食材を切っても刃先の鋭さが保たれており、一日が終わっても新聞紙を難なくスパッと切れました。炭素鋼なので扱いには多少気を遣いますが、その分きちんと手入れすれば応えてくれる道具であり、プロにとって信頼できる相棒です。
第2位:【SG2 和】(R2)三徳包丁



切れ味 ★★★★★ | 粉末鋼ならではの均質で微細な組織に職人の本研ぎが合わさり、抜群の切れ味を実現しています。SG2自体が非常に鋭い刃を付けられる鋼材で、トマトの皮や魚の皮も滑るように切り裂ける切れ味です。 |
刃持ち ★★★★☆ | 硬度・耐摩耗性が極めて高く、鋭い切れ味が驚くほど長く続きます。一日中酷使しても刃先の鋭さが保たれ、数日間研がずとも実用上問題ないほど刃持ちに優れています。 |
錆びにくさ ★★★★★ | クロム含有量の多いステンレス鋼のため通常使用で錆びる心配はほとんどありません。濡れたまま放置してもすぐには錆びない高い耐食性があり、錆びに強い鋼材です |
メンテナンス ★★★☆☆ | オールステンレスの包丁なので錆びに対する気遣いはほぼ不要で、日常のお手入れは非常に簡単です。高硬度ゆえ包丁が鈍った際の研ぎ直しには時間がかかる場合がありますが、刃こぼれしにくく刃先が長持ちするため、研ぎ頻度自体が少なく済む点で優れています |
美しさ ★★★★☆ | 美術品のような美しさです。積層鋼の波紋と木製ハンドルの風合いが高級感を醸し出し、所有する喜びを感じさせてくれます。 |
価格 | 27,940円(税込) |
2位も同じく實光包丁のSG2シリーズです。
SG2シリーズの包丁は、粉末ハイスを芯材としてステンレスで挟む三枚合わせ構造となっています。

芯材となっている粉末ハイス鋼は、もともと切削工具などに使われる高速度鋼(ハイス鋼)を、さらに粉末冶金(パウダーメタラジー)という製法で作り上げた鋼材です。
通常のハイス鋼は鋳造工程で作られるため、金属成分や炭化物が局所的に偏りがちですが、粉末冶金によって微細な粉末を均一に焼結することで、炭化物が全体に均一に分散し、不純物が少なく、品質のばらつきが少ないのが特徴です。
具体的には、タングステン、モリブデン、クロム、バナジウムなどの合金元素を多く含み、高い硬度と耐摩耗性を実現しながら、粉末化と焼結によって均質な組織を得ることができます。
そのため、同じハイス鋼の中でもより高硬度かつ欠けにくい、長期間鋭い切れ味を保ちやすい素材として評価されています。プロの料理現場や料理好きの方が求める「切れ味の持続性」と「研ぎ減りの少なさ」を両立してくれます。
ただし、硬度が非常に高い分、一般的な砥石では研ぎにくかったり、研ぎ方に注意が必要だったりする点がデメリットでもあります。とはいえ、三枚合わせ構造なので錆びるのも先端の5mm程度に抑えられます。
柄は和風テイストで「ほおの木」が活用され、口輪は黒水牛で伝統的な包丁の見た目を体現しています。
現在フレンチレストランでシェフをしています。素材の下ごしらえにこのSG2三徳包丁を導入してから、調理作業がとてもスムーズになりました。何より錆を気にせずに次々と食材を切っていけるのがありがたいです。以前は和包丁だと魚を捌いた後に刃を拭くなど気を遣っていましたが、この包丁はステンレスなのでそのまま玉ねぎやハーブを切っても錆の心配がなく、手が離せない忙しい時でも安心して使えます。切れ味も素晴らしく、50個の玉ねぎのみじん切りを終えた後でも刃が鈍った感じがしません。一日中ハードに使っても包丁の切れ味が保たれるので、研ぎ直しの手間が減りとても助かっています。
和食料理人のレビュー
和食厨房で働いて20年になりますが、SG2の包丁を使うのは初めてでした。驚いたのは、その切れ味と持続力です。朝仕込んだ大根の桂剥きから始まり、夜の閉店まで野菜を切り続けても、刃先の鋭さがほとんど変わりません。白紙鋼の柳刃包丁のような繊細な切れ味が一日中維持できる感覚です。また、錆びに強いためか食材の風味への影響も皆無で、長ネギを切っても金気臭が付かない点に感動しました。硬い素材の包丁なので砥石で研ぐ際はやや時間がかかりますが、それでも研ぎ減りが少なく長く使えることを思えば大きなメリットです。忙しい現場でも扱いやすく、美しい見た目も相まって愛用しています。
第3位:佐治武士 青紙スーパー黒打鎚目三徳 アイアンウッドハンドル 18cm


切れ味 ★★★★★ | 青紙スーパーの超高硬度によって生み出される刃先は、髪の毛をも容易に断つような鋭さです。研ぎ上げ直後の刃はトマトの皮に触れただけでスッと切り込み、繊維の多い肉も潰さず滑らかに引き切れます。 |
刃持ち ★★★★☆ | 青紙スーパーは青紙系で最も摩耗に強く、長時間使用しても切れ味が鈍りにくい鋼材です。「最高ランクの長切れ性能」で、まさに一日中大量の食材を裁く現場でも刃先の鋭さが持続します。 |
錆びにくさ ★★★☆☆ | 芯材・側材とも炭素質の鋼であるため、水分や塩分に対しては敏感です。黒打ち仕上げが施されていることで未加工の地金部分はある程度保護されていますが、それでも錆びやすいことには変わりはありません。 |
メンテナンス ★★★☆☆ | 高硬度ゆえ研ぎには時間がかかるものの、そもそも刃こぼれや切れ味低下が起こりにくいため研ぐ頻度は少なくて済みます。 |
美しさ ★★★★☆ | 黒打ちの重厚な地肌と槌目模様、そしてアイアンウッドの濃い木肌が融合した姿は、まさに和の工芸品です。アイアンウッド柄の滑らかな光沢と美しい木目が高級感を引き立て、一本一本表情の違う天然素材ゆえの所有欲を満たしてくれます。 |
価格 | 44,650円(税込) |
越前の名工・佐治武士氏による鍛造三徳包丁。芯材に青紙スーパー(青紙鋼の中でも最も硬度が高い高炭素鋼)を使用し、表面は黒打ちの鍛造肌に槌目模様を施した和風の趣ある仕上げです。
青紙スーパーは炭素量約1.4%と非常に高く、タングステン・クロム・バナジウムなども含有するためHRC64前後の超硬度に達し、刃先の持続性は青紙系でトップクラスです。
その芯材を両側から軟鉄で挟んだ三層構造になっており、黒錆び調の仕上げが錆の発生を抑えつつ独特の風合いを与えています。槌目(ハンマーで付けた凹凸)は食材の張り付き防止に効果を発揮し、見た目にも伝統美を感じさせます。
ハンドルには高級材アイアンウッドを採用し、非常に硬く水や摩耗に強い特性と、美しい木目による重厚感があります。職人が一本一本手作業で火造り鍛錬し、水焼入れで硬化させた後に丹念に刃付けしており、伝統工芸士の技と魂が込められた逸品です。
重厚な造りながらバランスが良く、食材に吸い付くような切れ味で、肉・野菜・魚の下ごしらえ全てに威力を発揮します。特に硬い根菜や大量の薬味切りなどでも刃が鈍りにくく、プロの現場で頼れる万能包丁です。
硬い人参やカボチャもこの包丁だと滑るように刃が入り、力を入れずにスパッと切れます。仕込みで根菜を何十キロとカットしましたが、他の包丁なら途中で刃先の鈍りを感じるところ、本品は終わるまで切れ味が落ちませんでした。刃持ちが抜群なので研ぎ直しの手間が減り、仕事が捗ります。アイアンウッドの握りも手になじみ、長時間使っても手首が疲れにくいです。見た目も渋く、キッチンでこの包丁を取り出すと同僚から一目置かれる存在感があります。
魚を三枚におろす際、小骨に当たっても刃こぼれせず安心感があります。普通の青紙より硬い青紙スーパーのおかげか、包丁が食材に吸い付くようで、刺身を引いたときの切断面の美しさは格別でした。錆びには注意が必要なので使い終わるごとに熱めのお湯で洗って拭き上げています。幸い黒打ち仕上げのおかげで、それほど神経質にならずとも今のところ錆知らずです。研ぐ頻度は少ないですが、自分で砥石をかけたときも硬い割に研ぎ味が良く、心地よく刃がついてくれます。本物の鍛造包丁ならではの信頼感を感じる一丁です。
第4位:吉田刃物「ZDP複合三徳包丁(黒) 紫檀柄シノギ付」

切れ味 ★★★★★ | 高硬度に熱処理された刃は非常に薄く仕上げられており、食材に吸い付くような切れ味です。包丁を引いた際の抵抗が極めて少なく、刺身や野菜の薄切りでも驚くほど滑らかな断面が得られます。職人による最終研ぎも完璧で、箱出し直後から髪の毛をもスパッと断つ切れ味です。 |
刃持ち ★★★★★ | ZDP189の硬度の高さは群を抜いており、切れ味の持続性では他のどの鋼材よりも優れています。摩耗に強く日常の使用でもその切れ味を維持し続けることができ、一度研いだ刃が長期間にわたり鋭利さを保つためプロの現場でも驚異的な刃持ちを発揮します |
錆びにくさ ★★★★☆ | 高クロムのステンレス鋼材であるため非常に錆びにくく、通常使用で錆が浮くことはほとんどありません。ただし塩分を含む環境では若干錆が生じやすい傾向があるため、海水や塩分を含んだ食材を扱った後は真水で洗うなど注意すれば長期間美しい状態を保てます |
メンテナンス ★☆☆☆☆ | 高硬度故に大変研ぎにくい鋼材であり、プロに頼む必要があるのが大きな難点となっています。 |
美しさ ★★★☆☆ | 黒染めされた刃身と浮かび上がるシノギのラインが渋い美しさを放っています。紫檀柄の深みのある色合いも相まって上質な和の趣きを感じさせます。ダマスカスのような派手さはありませんが、職人技術が凝縮された外観で、手に取ると伝統工芸品の風格を感じます |
価格 | 28,060円(税込) |
佐賀県の老舗鍛冶店・吉田刃物が手がける最高級三徳包丁です。切れ味の持続性に優れ、なおかつ錆びにくいという特長を持つ希少鋼材ZDP189を芯材に使っています。
ZDP189は日立金属が開発した粉末冶金ステンレス鋼で、炭素含有量約3%という超高炭素鋼でありながらクロム含有量も約20%と非常に高いため、刃物鋼材の中でもトップクラスの硬度(HRC66~67)を誇ります。

その硬さは切れ味の持続性を左右する重要な要素で、ZDP189使用の本包丁は他の鋼材では得られない卓越した刃持ちを実現しています。またステンレス系の成分により錆にも強く、長時間鋭い切れ味を維持できる画期的な素材です。

この包丁ではZDP189を芯に、軟鉄系の刃金を両側に鍛接した三層「複合鋼」構造となっています。非常に硬い鋼を鍛造で包丁に仕上げるには高度な技術が必要ですが、吉田刃物の職人たちは長年の経験と独自工夫によりそれを可能にしています。大型のプレス鍛造機や手作業の鍛錬を駆使し、適切な温度管理のもと何度も叩き鍛えて靭性のある地金に仕上げています。
そして刃物に最適な硬さと強さを引き出すために入念な焼入れ・焼戻しを施し、極限まで鋼材のポテンシャルを引き出しています。その結果生まれる刃先の硬度はHRC66以上にも達し、まさに「切れ味が長く続く」包丁となっています。
刃渡り約170mmの三徳サイズながら重量は約130gと非常に軽量で、薄く仕上げられた刃身の証でもあります。刃表面は「黒打ち」と呼ばれる黒色酸化被膜仕上げが施されており、伝統的な風合いと防錆効果を両立しています。
刃筋にはシノギ(刀でいう鎬)線がくっきりと表れ、芯材と側材の境目が美しいラインとなって見えるのも特徴です。見た目には和包丁のような重厚な趣きがあり、職人技による造形美が感じられます。
柄には高級木材である紫檀材を使用した八角柄を採用しており、適度な重量感と手に吸い付くような握り心地を提供します。和包丁スタイルの横手仕様で刀身との接合も安定しており、長時間の使用でもブレない扱いやすさがあります。
三徳包丁ですので肉・魚・野菜と幅広く使えますが、その中でも特にこの包丁が真価を発揮するのは大量の食材を長時間処理する場面です。桁違いの刃持ちにより、朝から晩まで研ぎを入れなくとも切れ味が維持でき、調理作業の合間に砥石を当てる必要がほとんどありません。
しかし、大変砥ぎにくくなっており、研ぎに関してはプロに依頼する必要がある代物で素人には使いづらい逸品となってしまっています。切れ味特化の包丁といえるでしょう。
大量調理を行う現場でこの包丁を使用していますが、その性能には目を見張るものがあります。朝一番に刃を確認してから大量の野菜の仕込みに取りかかり、夕方まで休みなく切り続けても刃先の鋭さが落ちません。一日中研ぎ直しをしなくても良いため作業効率が格段に上がりました。重量が非常に軽く感じられるので、長時間振るっても手首が疲れにくい点もありがたいです。錆に強いおかげで、濡れた食材を次々と切っていっても刃が曇ったり錆びたりする心配がなく、神経を遣わずに作業できます。これほどメンテナンスに気を取られず安心して使える包丁は初めてで、まさにプロ仕様の道具だと実感しています。
研ぎがいのある素晴らしい包丁です。届いた直後の切れ味は感動的で、新聞紙を何十枚も連ねてスッと引き切れるほどでした。その後しばらく使い続けても切れ味が衰えないため、研ぎ師としての腕が鈍りそうだと冗談を言ったほどです。試しに1か月ほど使い込み、さすがに僅かに切れ味が落ちてきたので研ぎ直しをしましたが、やはり通常の鋼よりも研ぐのには時間がかかりました。しかしその苦労に見合うだけの持続する切れ味が得られるため、研ぎ上げた後は長期間安心して使えます。硬度が非常に高いぶん、まな板の上で乱暴に扱ったり固い骨に当てたりしないよう気をつけていますが、通常の食材を切る分にはまったく問題なく、むしろ滑らかすぎる切れ味に料理人仲間も驚いています。素材のポテンシャルと職人のこだわりが融合した逸品で、使うたびに技術の粋を感じる包丁です。
第5位:堺一文字光秀「煌 粉末ハイス鋼 三徳包丁」



切れ味 ★★★★★ | 粉末ハイス鋼は微細で均一な組織ゆえに非常に鋭い刃先を付けることが可能です。プロの砥師が16度前後の刃角で研ぎ上げた刃は、紙を宙でスッと押し切れるほどの鋭さです。 |
刃持ち ★★★★★ | 摩耗に強いバナジウムやタングステンの硬質粒子が均一に分散しているため、非常に高い耐摩耗性を誇ります。その結果、長時間使用しても刃先の鋭さが極めて高い刃持ちを実現しています。 |
錆びにくさ ★★★★★ | 芯材・側材ともに高級ステンレス鋼で構成されており、非常に錆びに強いです。「日常使いで錆の心配がほぼ無いレベル」で、調理中に濡れっぱなしになってもすぐに錆びることはありません。 |
メンテナンス ★★★☆☆ | 錆びの心配が少なくお手入れは非常に容易な一方、非常に硬いため研ぎ直しの難易度はやや高めです。 |
美しさ ★★★★☆ | 「華麗さと品格」を備えており、職人の手による丁寧な研磨仕上げが刀身全体に現れています。 |
価格 | 41,900円(税込) |
「煌」シリーズの三徳包丁は、最新技術で開発された粉末ハイス鋼を芯材に用いた高級モデルです。粉末ハイス鋼とは、鋼を溶解後に噴霧・凝固させた微細な鋼粉を高圧で固め、焼結・鍛造して作られる先進鋼材で、従来の製鋼法に比べ偏析がなく組織が非常に均一です。
これにより炭化物(刃を摩耗から守る硬質粒子)が細かく分散し、超高硬度(HRC63前後)でありながら靱性も確保されています。
チャコールグレーのパッカーウッド柄(積層強化木)は高い耐久性とシックな外観を両立し、口金・尻金のステンレスとの接合も精巧で握りやすさと重量バランスが洗練されています。
切れ味、美しさ、耐久性のすべてをトップレベルで備え、プロの要求にも応える一本です。野菜のみじん切りから肉のスライス、魚のサク取りまでオールマイティーに活躍し、特に長時間の仕込み作業でも切れ味が持続する点で「煌」の名にふさわしい実力を発揮します。
若干値段は高めではありますが、錆びにくい素材でできており切れ味も長期間持続し非常に使いかってがよい包丁となっています。ただ、刃の硬度が高いため一般的な砥石では研ぎにくい場合がある点はデメリットとして挙げられます。
仕込みで山のような野菜をカットしましたが、この包丁は朝から晩まで切れ味が落ちず感動しました。人参のみじん切りも刃がスッと入って均一に仕上がり、長時間使っても刃先の鈍りを感じません。粉末ハイス鋼の凄さでしょうか、研ぎ直しの回数が激減しました。おかげで調理に専念でき、生産性が上がったように思います。錆の心配も皆無なので、トマトソースを大量に仕込むような場面でも気兼ねなく使えています。
見た目に一目惚れして購入しましたが、性能も一級品です。鱧の骨切りのような細かな作業でも思い通りに刃が入る精密さがあります。硬いカボチャを剥く際も刃がびくともしない安定感で、力の伝わりが良いです。柄のバランスが良く、刀身との一体感があるので、刃先の感覚を指先で繊細にコントロールできます。高価ですが、それに見合う価値があり、使う度に所有する喜びを感じる逸品です。厨房仲間からも『いい包丁使ってるね』と羨ましがられますよ。
錆管理の負担を減らしたい方むけのおすすめの三徳包丁ランキング
次は錆管理の負担を減らしたい方むけのおすすめの三徳包丁についてランキング形式でお伝えします。

第1位:堺菊守 V金10号 鏡面仕上げ 三徳包丁



大阪・堺市の老舗包丁メーカー「堺菊守」による高級三徳包丁です。刃材にはステンレス系最高峰の一つとされるV金10号(VG10)鋼を使用しており、刃渡り180mmの三徳包丁としてオールラウンドに活躍します。
VG10は1%前後の高炭素にコバルト・モリブデン・バナジウムなどを含む高級刃物鋼で、硬度は約60~61HRCと非常に硬く熱処理されており、刃先の鋭さと長切れを両立しています。
刃は錆びに強いステンレス割込み構造で、芯材のVG10を軟鉄ステンレスで挟んだ「霞(かすみ)仕上げ」の包丁です。表面は美しい鏡面研磨が施されており、一目で高級包丁と分かる輝きを放ちます。
鏡面仕上げによって清潔感が高まり、プロの現場でも演出効果を高めるとされています。柄(ハンドル)には黒檀木が使われ、口輪には水牛の角があしらわれた和包丁伝統の八角柄です。
黒檀は重量感があり手に馴染む高級木材で、見た目の美しさだけでなく耐久性・耐水性にも優れます。堺の伝統工法により熟練の職人が鍛造と研磨を手掛け、切れ味鋭い刃付けが施されています。
堺菊守の包丁はその切れ味の鋭さが世界的にも認められているほどで、本製品も匠の技が随所に感じられる一本です。
価格は非常に高価ですが、それに見合うだけの希少価値と品質を備えており、プロの料理人や包丁愛好家にとって垂涎の逸品と言えるでしょう。
長年和食の現場で様々な包丁を使ってきましたが、この堺菊守の鏡面三徳包丁は群を抜いて素晴らしいですね。まず手に取った瞬間、その美しさに心を奪われました。磨き抜かれた鏡面の刃は自分の顔が映り込むほどで、お客様の前で使うと『こんな綺麗な包丁は初めて見た』と驚かれるほどです。肝心の切れ味も申し分なく、刺身を引くときに刀身がネタに吸い付くような感覚でスーッと引けます。繊維を潰さず滑らかに切れるので、魚の断面が光り、舌触りも格段によくなるんです。野菜を切っていても、トマトの薄切りや大根のかつら剥きも刃が勝手に進んでいくような感覚で、作業がとても滑らか。黒檀柄の握り心地も手にしっとり馴染み、長時間握っても疲れません。毎日使う道具だからこそ、これだけ完成度の高い包丁だと仕事の精度も上がりますし、使っていて本当に気持ちがいい。高価な包丁ですが、料理人としての自分の腕を最大限に引き出してくれる相棒だと思っています。手入れの際にこの鏡面を眺める度に、『いい道具を持っているな』と誇らしい気持ちになりますね。妥協のない職人技が詰まった一本で、プロの現場でも十分すぎるパフォーマンスを発揮してくれます。
実際にこの包丁を手に取ると、切れ味の良さによる作業効率の向上を実感します。硬質で薄い刃が食材にスッと入り込むため、野菜のみじん切りや千切りも驚くほど滑らかに行え、刃が食材に引っかかったり潰したりするストレスが皆無です。例えばトマトの輪切りでは、重さをかけず刃を引くだけで皮がスッと切れ、断面が潰れません。玉ねぎのみじん切りでも細胞を潰しにくいので、水分が流れ出にくく辛味成分が飛び散りにくい印象があり、目に染みにくく感じます。刺身を引いても繊維を断ち切るような滑らかな切断面が得られるため、魚の旨味を損なわず綺麗な盛り付けが可能です。
第2位:【銀三鋼 三徳包丁】(實光刃物)


切れ味 ★★★★☆ | 銀三鋼は不純物が少なく粒子の細かい鋼のため、白紙鋼に匹敵するほどの鋭い刃が付けられます。実際、この包丁の刃先は研ぎ上げると新聞紙を宙でスッと切断でき、トマトの薄切りも押し引き不要で可能なほどです。 |
刃持ち ★★★★☆ | 炭素量1%前後の銀三鋼は、ステンレス鋼の中でも刃の持続性が高い部類です。この包丁も適切に使えばプロの使用で数日~1週間は研ぎを必要としない安定した切れ味を維持できます。白紙系ほどではないにせよ硬度がしっかり確保されているため摩耗しにくく、また刃先が丸くなっても比較的容易に軽い研ぎ直しで復活します。 |
錆びにくさ ★★★★★ | 銀三鋼はステンレス鋼ですので、錆びへの耐性は非常に高いです。たとえば、柑橘類や酢を扱う調理でも刃が変色せず、長時間放置しなければ錆は発生しません。実際、炭素鋼包丁では神経を使うレモンの輪切りやトマトソースの仕込みでも、この包丁なら作業途中に洗い流さなくても刃が赤茶ける心配が少なく安心です。 |
メンテナンス ★★★★★ | 錆びにくく研ぎやすいという理想的な特性を持ち、メンテナンス性は極めて高いです。使用後は洗って拭くだけで刃に錆が浮くこともほとんどなく、日常の手入れは簡単です。また銀三鋼は炭素鋼に近い組成のため砥石での研ぎ感が良く、高硬度ながら初心者でも比較的短時間で刃を付け直すことができます。 |
美しさ ★★★★☆ | 伝統的な霞研ぎ風の上品な外観で、派手さはないものの精緻な刃文や光沢が職人の技術を物語ります。 |
価格 | 58,520円(税込) |
銀紙三号(通称:銀三鋼)は、白紙鋼の切れ味と研ぎやすさを兼ね備えながらクロム約13%含有で錆びにくくした、高級ステンレス刃物鋼です。
島根県・安来で採れる高純度の砂鉄を原料に精錬された鋼で、不純物が少なく品質が極めて高いことで知られます。炭素鋼ではないのに安来鋼であり特異的な存在です。

本包丁はその銀三鋼を芯材に据え、伝統工法で軟鉄(または軟ステンレス)と本鍛造で鍛接した三層構造になっています。
刃渡り180mmと標準的ながら、銀三鋼はHRC60前後に熱処理されており硬度が高いため、非常に冴えた切れ味を発揮します。
一方で組成的には炭素鋼に近く靭性もあるため、研ぎやすく刃先の微調整もしやすいのが特長です。

實光刃物による本製品は、伝統的な割込み鍛造により銀三鋼を芯材に軟鉄を鍛接しており、和包丁職人の手作業で一本一本仕上げられています。
錆びにくい鋼材とはいえ、焼入れによりHRC60程度の硬さが与えられているため、白紙鋼に匹敵する鋭い刃付けが可能です。
実際、箱から出して新聞紙を試し切りすると、引っかかり無く滑らかに切断でき、その切味に驚かされます。
刃渡りはオーソドックスな165mm前後で、家庭用として非常に扱いやすく、軽量なので女性にも人気があります。銀三鋼は和包丁職人が好んで使うステンレス鋼材で、錆を気にせず和包丁の切れ味を求める料理人に最適です。
野菜の色移りや金気臭も発生しにくく、刺身を切っても素材の風味を損ないません。伝統工芸士のこだわりと実用性が両立した逸品で、長く使うほど愛着が湧く包丁と言えるでしょう。
和食店で、錆びにくい包丁が欲しくて銀三鋼の三徳を導入しました。使ってみると切れ味は白紙鋼の柳刃包丁に迫る勢いで、刺身の引き切りでもスッと引けて美しい断面が出せます。大根の桂剥きでは金気臭が全くなく、真っ白な大根のまま薄く長く剥けるのに感動しました。毎晩のように魚や薬味野菜を切っていますが、包丁に錆が浮いたことは一度もありません。忙しい最中に水気を拭き忘れてしまっても大丈夫だったことがあり、ステンレス鋼の安心感を実感しました。研ぎに関しても、砥石に乗せた感じが炭素鋼に近く、刃先にしっとりと刃が付く印象です。数週間使って多少切れ味が鈍っても、軽く研ぐだけで元通り鋭くなるので、プロの現場でもメンテナンスが楽になりました。
寿司職人ですが、酢飯用の野菜や巻物の具材を切る際にこの銀三包丁を愛用しています。錆びを気にせずガリ(生姜)や酢橘など酸の強いものを次々に切れるので、とても便利です。切れ味も素晴らしく、ミョウガや大葉を細く千切りにしても包丁の入りが良いので色が黒ずみません。白紙鋼のように使用後すぐ拭かなくても錆びない安心感があるため、接客中に手が離せない状況でも包丁のケアで慌てることがなくなりました。高価ではありますが、伝統的な和包丁の研ぎやすさとステンレスの手軽さを両立したこの包丁は、忙しい寿司屋にとって理想的です。今では新人にも錆の心配をせず包丁の使い方を教えられるので重宝しています。
第3位:旬Classic 三徳175mm


切れ味 ★★★★☆ | 工場出荷時から髪の毛が剃れるほどの鋭利さで、さすが貝印というべき安定した切れ味を持っています。16度の包丁刃角は一般的な洋包丁より鋭く設定されており、軽い力でトマトの薄切りやネギの小口切りが可能です。 |
刃持ち ★★★★☆ | VG10系統の鋼材は刃先の耐摩耗性が高く、家庭用であれば数ヶ月研がずに使えるほど長持ちします。硬めの人参や大量の玉ねぎを刻んだ後でも、軽く砥石やシャープナーで整える程度で元の切れ味が蘇ります。コバルトやバナジウムを含むVG-MAXの効果で組織が強化されており、刃先の微小な欠けや摩耗が起こりにくい設計です。 |
錆びにくさ ★★★★★ | 刃材・側材ともにステンレスで、特に芯材VG-MAXはクロム含有量約15%と高くモリブデンも加えて耐腐食性が強化されています。日常で錆を意識しなくて良い包丁です。 |
メンテナンス ★★★★☆ | 万一研ぐ必要が生じてもVG-MAXは適度な硬さで砥石での再研磨が比較的スムーズです。ただし、高硬度ゆえに軟鋼の庖丁よりは研ぎに時間がかかる点と、切れ味を最高に維持したいなら定期的な軽い研ぎ直しは必要になります。 |
美しさ ★★★★☆ | ブレードに浮かぶダマスカス模様と光沢のある仕上げ、そして和風の黒檀色ハンドルが調和した外観は非常に洗練されています。 |
価格 | 22,000円(税込) |
貝印が世界に誇る「旬(Shun)クラシック」シリーズの三徳包丁です。
芯材に高炭素ステンレス鋼VG-MAX(VG10をベースにコバルト等を強化した独自鋼材)を使用し、その周囲をダマスカス模様を描く34層×2のステンレスで挟み込んだ計69層構造になっています。
VG-MAXは硬度HRC60前後ながら靭性・耐食性にも優れ、錆びに強く長切れするのが特長です。
刃は日本の職人により本刃付けされ、両刃16度という鋭角で研がれているため、箱出し状態で非常にシャープな切れ味です。
刃表面のダマスカス模様(柄線)は研磨とエッチング処理で鮮やかに浮き出ており、美観とともに微細な凹凸が食材の張り付きを軽減します。
ハンドルは耐水性に優れた黒色パッカウッドで和包丁風の桂(つか)形状を採用しており、手に馴染むD字型です。
欧米のシェフからも支持されるこのシリーズは、機械による精密加工と人の手による仕上げが融合した高品質な包丁で、量産品でありながら一丁ずつ丁寧に検品・調整されています。
肉・魚・野菜をオールマイティにこなし、特に野菜の千切りや角切りでは、薄く軽量な刀身がスパッと入り込み滑らかな切断面を実現します。切れ味の持続とお手入れの容易さからプロの日常使いにも耐え、国内外で高い評価を得ている万能包丁です。
シャープな切れ味と扱いやすさで、毎日の仕込みに欠かせない相棒です。朝一で大量の玉ねぎのみじん切りをしますが、この包丁だと最後まで切れ味が安定していて作業がはかどります。ステンレスなので酸っぱいトマトを山ほど切っても刃が錆びる心配がなく、まな板の上に放置しても平気なのは助かりますね。研ぎ直しも月に一度程度軽く行うだけで、常に良好な切れ味を維持できています。ダマスカス模様の美しさもお気に入りで、キッチンに立つ楽しさを高めてくれます。
プロ仕様の切れ味なのに扱いが難しくなく、生徒さんにも勧めたいくらいです。キャベツの千切りでは刃がスッと入り、力を入れなくてもふわふわの千切りが大量に作れました。魚の柵切りでも包丁の重みで引けるので身を崩さず綺麗な断面が出せます。和包丁に比べて錆びづらいので、レッスン中に他のことに気を取られて包丁を濡れたままにしてしまっても安心です。お手入れも簡単で、毎回洗って拭くだけですが購入時と変わらない輝きを保っています。この切れ味と美しさでこの価格は非常に価値が高いと感じます。
第4位:Michael BRAS 包丁 No.4




切れ味 ★★★★★ | 高精度に仕上げられた刃線と硬質ステンレス芯材により、箱出し直後から驚くほどの鋭い切れ味を発揮します。16度程度の刃角に最終研磨されており、新聞紙も宙で静かに押し通せるほどです。 |
刃持ち ★★★★☆ | 芯材のハイカーボンステンレス鋼は、コバルトやバナジウムの効果もあって硬度・耐摩耗性が高く、業務使用でも容易には刃がヘタりません。 |
錆びにくさ ★★★★★ | ステンレス刃材に加え、表面のチタンコーティング効果で錆への耐性は極めて高いです。芯まで完全ステンレス構造のため、刃先まで錆びに強く、例えば酸っぱいレモンを大量に切っても刃が黒ずむようなことは起こりにくいです。 |
メンテナンス ★★★★★ | 錆びにくく刃持ちが良いため、お手入れの手間は最小限で済みます。が鈍ってきた場合でも、高硬度ながら研ぎ自体は高品質なステンレス鋼らしく比較的スムーズで、標準的な砥石で時間をかければ元の切れ味に戻ります。刃 |
美しさ ★★★★★ | 黒と銀のコントラストが映えるモダンなデザインで、宝石のような気品を湛えています。マットブラックのチタンコートブレードに刻まれた「BRAS」のロゴ、鏡面の刃先とのコントラストが独特で、一目で特別な包丁だと分かる美しさです。 |
価格 | 46,200円(税込) |
世界的シェフ、ミシェル・ブラス氏と貝印のコラボによる高級包丁シリーズの三徳モデルです。刃体は硬質ステンレス鋼を芯に、両側を柔らかめのステンレスで挟んだ強靭でしなやかな3層構造となっています。
芯材は高炭素のステンレス刃物鋼(VG10相当のモリブデン・バナジウム鋼と推測)で切れ味重視の硬度を確保し、側材の柔らかいステンレスが衝撃を緩和することで、硬さと粘り強さを両立しています。
さらに刃表面にはチタンコーティングが施され、マットな黒い外観が特徴です。
このチタンコーティングは錆びにくさを向上させるだけでなく、食材の張り付き軽減や刃表面の摩擦低減にも寄与します。
ハンドルは黒色の積層強化木で、独特の曲線的形状が握りにフィットし、口金・尻金にステンレスを配したことで重量バランスが絶妙です。
一本一本を職人が手作業で組み立てており、細部の仕上げまで丁寧に作り込まれています。切れ味、美しさ、握りやすさのすべてにおいてミシェル・ブラス氏の哲学が反映されており、「調理器具の枠を超えた宝石」と称されるほど気品ある包丁です。
程よい重みがあり、食材に刃を当てるだけでスッと切り進む感覚があり、野菜・果物・ハーブなどの細かな作業にも高い精度で応えてくれます。和包丁と洋包丁の良さを融合したデザインで、プロにも初めての一本にも勧められる万能包丁です。
初めて手に取った時、その美しさに息を呑みましたが、切れ味も同様に素晴らしいです。ハーブの微塵切りでは刃先のコントロールがしやすく、細かな刻みが均一にできます。やや丸みを帯びた刃線のおかげでロッキングもしやすく、洋食の下ごしらえにも最適です。重みが程よくあるので硬いカボチャでも無理なく刃が入っていきます。長時間使っても手に馴染む握りで疲労感が少なく、本当に“考え抜かれた”包丁だと感じます。洗練されたデザインはサービス中にお客様に見られても恥ずかしくなく、むしろ話題になるほどです。
和包丁とは一線を画すデザインですが、使ってみると驚くほど使いやすい。刺身を引くような繊細な動きにもスムーズに対応でき、しかも果物の皮むきのような細かい作業でも握りやすいハンドル形状が活きています。錆を気にせずに済むので、柑橘類を絞った手でそのまま包丁を握って調理を続けても問題ないのは助かります。研ぎも一年ほど使っていますが、刃持ちが良いので数回しか行っていません。それでも切れ味は十分維持されています。高価ですが、プロの道具として申し分ない性能と唯一無二のデザイン性を兼ね備えており、投資する価値がありますね。
コストを抑え大量に使用したい方におすすめの三徳包丁ランキング
次にコストを抑え大量に使用したい方むけにおすすめの三徳包丁をお伝えします。

第1位:堺孝行 AUS10 ミラーダマスカス三徳包丁 17cm


切れ味 ★★★☆☆ | 炭素鋼ほどの硬度は得られませんが、薄く研ぎ上げられた刃先は非常によく切れ、トマトの薄切りも潰さずに行えます。 |
刃持ち ★★★★☆ | AUS10鋼の芯材は硬度・靭性のバランスが良く、日常の下ごしらえ程度では長く刃先の鋭さを維持できます。 |
錆びにくさ ★★★★★ | オールステンレス構造のため錆に強く、湿気の多い厨房環境でも刃が錆びる心配はほぼありません。 |
メンテナンス ★★★★☆ | 使用後に洗浄・水気を拭き取るだけで鏡面の輝きを保てます。硬度が高めですが研磨剤入りスポンジや砥石での研ぎ直しも比較的容易です。 |
美しさ ★★★★★ | 45層ダマスカスの独特な紋様と鏡面仕上げの煌びやかさが両立し、キッチンに置いておくだけでも映える芸術品のような美しさです。 |
価格 | 18,800円(税込) |
堺孝行ブランドの中でも、美術品のような輝きを放つミラーダマスカス(三徳包丁17cm)です。芯材には高硬度ステンレス鋼AUS10(別名10A鋼)を採用しています。
AUS10は炭素約1.0%、クロム14%程度にモリブデン・バナジウムを含有したステンレス刃物鋼で、VG10に匹敵する硬度と切れ味を持ちながら、やや靭性に優れる特性があります。
この包丁ではAUS10をHRC60前後に適切に熱処理し、芯材の両側を軟ステンレスとの45層ダマスカスに鍛接しています。その刃身を職人が一枚一枚丹念に鏡面研磨しており、表面は鏡のように輝き、ダマスカス模様が光の加減で浮かび上がる仕上がりです。
見た目の美しさだけでなく、刃の厚みや形状にも工夫が凝らされており、三徳包丁として使いやすいバランスになっています。重量は約155g程度と軽量で、女性や長時間の使用でも扱いやすいのも特徴です。
軟質ステンレスの側材が芯材を挟むことで刃に適度な柔軟性が生まれ、硬い素材を切る際にも刃が欠けにくくなっています。
オニオンスキン(玉ねぎの薄皮)さえも引っかからずに切れる鋭い刃付けが施されており、プロの現場から家庭まで満足度の高い切れ味です。錆びにくいオールステンレス構造なので、日々のメンテナンスも容易で、美しい鏡面を保ちながら長く愛用できる包丁です。
日本料理店で使っていますが、見た目の美しさも相まってお客様の前で調理する際に重宝しています。お造りのツマを大量に刻む際も、刃離れが良いおかげか細かい大根の千切りが刃に貼り付かずサラッと落ちてくれます。ステンレス包丁なので、大量の大葉や長芋を切っても刃が錆びないのは精神的に安心です。切れ味は鋭く、人参の桂剥きでは包丁の重みと鋭さで薄紙のように均一に剥けました。何よりお手入れが楽で、使用後に中性洗剤で洗ってから柔らかい布で拭くだけで、いつまでも新品同様の鏡面が保たれています。高価な包丁ですが、料理人としてこの美しさと性能には非常に満足しています。
洋食レストランで主に野菜カット用として導入しました。軽量な割にしっかりとした切れ味があり、トマトの輪切りからキャベツの千切り、パプリカの薄切りまでスムーズに行えます。特に驚いたのは薄いズッキーニを連続でスライスしていったときで、30枚以上切っても切れ味が鈍らず、最後までスパッと切り離せました。サービスの合間にサッと拭くだけで汚れが落ち、錆も出ないため、忙しい中でも扱いやすいです。ダマスカス模様の包丁は初めて使いましたが、同僚からも「格好いい包丁だね」と評判です。価格以上の価値を感じる一丁で、キッチンでのモチベーションも上がります。
第2位:堺 孝行 INOXプロ モリブデン鋼 三徳包丁 180mm


切れ味 ★★★☆☆ | 業務用として申し分ない性能です。硬度58~59程度に調整された刃は、包丁の扱いに慣れた職人が研ぎ上げることで非常にシャープなエッジを実現しています。新品状態でも新聞紙がスッと切れる鋭利さで、野菜の千切りや肉のスライスも滑らかにこなせます。 |
刃持ち ★★★☆☆ | 実用十分な刃持ちがあります。モリブデン鋼は硬度こそ中程度ですが、クロムやバナジウムの効果で耐摩耗性もそれなりに確保されています。 |
錆びにくさ ★★★★★ | 非常に高い耐錆性能を誇ります。INOX(=不錆)という名称が示す通り、クロム・モリブデンを含む特殊ステンレス鋼で錆びに強く、水気や酸に晒される調理環境でも錆の発生が極めて少ないです。 |
メンテナンス ★★★★★ | まず錆びにくいので日常的なケアは簡単ですし、刃こぼれもしにくい適度な硬さゆえに研ぎ直しも比較的短時間で済みます。 |
美しさ ★★☆☆☆ | 実用本位のシンプルなデザインです。見た目の豪華さや伝統美では前述の堺菊守のような和の風格には及びませんが、無駄のない機能美があります。 |
価格 | 21,600円(税込) |
「堺孝行」は堺の包丁ブランドの中でもプロの料理人に広く支持される有名ブランドで、その中でもINOXプロシリーズは衛生面と実用性を追求した業務用ラインです。
本製品は刃渡り180mmの三徳包丁で、素材にモリブデン含有ステンレス鋼(INOXプロ鋼)を使用しています。刃材の詳細な成分は公表されていませんが、日本製の高品質ステンレス鋼であり、一般的にはAUS-8相当の炭素量0.8%前後・クロム14%程度のモリブデン・バナジウム鋼と推測されます。
硬度は約HRC58~59に熱処理されており、硬すぎず柔らかすぎずの絶妙な硬さで、鋭い切れ味と研ぎやすさを両立させています。
刃と柄が一体化したオールステンレス構造が最大の特徴で、継ぎ目のない一体成型によって非常に衛生的です。柄まで金属製ですが、滑りにくいよう適度にマットな質感に仕上げられ、手にフィットする形状になっています。
私はフランス料理の厨房でこの堺孝行INOXプロの三徳包丁を愛用しています。まず感じるのは手入れの楽さとタフさです。忙しいサービス中はつい包丁を洗わずに置いてしまうこともありますが、この包丁は錆びにくいのでヒヤヒヤすることがありません。オールステンレスで継ぎ目がないので、使い終わった後は丸ごと熱湯消毒できて衛生的にも安心です。
まとめ
三徳包丁は家庭には欠かせない万能包丁です。
個々人の用途に応じて適切な包丁を選択していきましょう。
毎日の料理に対するモチベーションが劇的に変えていきましょう。
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